馬敗れて草原あり (角川文庫 て 1-11)
馬敗れて草原あり (角川文庫 て 1-11) / 感想・レビュー
masa
「人はなぜ読書に熱中するのか?」<少年の意見>ゲームもマンガも持っていない。友達もいない。だから図書館に行くんだ。読書だけがいつも時間を正しく使えている気分にさせてくれるからね。<経営者の意見>知識を増やすためだね。人は裏切るし金は裏切りを呼び込むけれど知識は裏切らないだろう。<サラリーマンの意見>生まれ変わるためですね。想像力の世界では誰でも何にでも、富豪や凶悪犯ときには死者にだってなれるんですよ。<僕の意見>あらゆる分析を上回る一つの明快な解答がある。少なくとも僕の場合。僕は、本が好きなのである。LR
2020/12/31
masa
「フランケル俺と生年月日同じやって!」子どもからのメッセージに「知らんがな」と返しながらも少しにやけてしまった。血を争う競技を共通言語にする日が来るなんて血は争えない。かつて子ども部屋にそっと競馬ゲームのソフトを置いた日の自分を褒めたい。高校の合格祝いに母親に内緒で連れて行った阪神競馬場で「こんなにたくさんの人、全員が馬を見に来とるねんなぁ」と何度もつぶやく姿を見て、何故か泣きそうになった。いつかこの本をプレゼントしよう。きっとお前にもわかるはずだ。競馬が人生の比喩なのではなく、人生が競馬の比喩なのだと。
2023/05/27
夜梨@灯れ松明の火
再読。「八頭のサラブレットが出走するならば、そこには少なくとも八編の叙事詩が内包されている」…はい。競馬は単なるギャンブルではありません。
2012/09/12
石川さん
競馬が大好き、特に父内国産馬が大好きだった時期があったんですけど、サンデーサイレンス産駒と外国産馬が席巻する競馬にロマンがなくなった気がして、いつしか離れてしまいました。でも、競馬にロマンがなくなったんじゃなくて、私にロマンを感じる力がなくなっただけなんだと、この本を読んで反省しました。「競馬ファンは馬券を買わない。財布の底をはたいて「自分」を買っているのである。」など名言が多いですが、私が好きなのは「こんなインチキなレースがあるかいな。これじゃ、まるで熊沢天皇賞や!」ですw
2009/12/08
どんぐり
自分は「ロマネスク」的な側面としての競馬が好きです。だから、競馬によって世界を知りたいという、寺山修司の競馬観には共感できることが多い。特に、「競馬は人生の比喩ではなく、人生が競馬の比喩なのだ」という言葉は深すぎます。レースではなく自分が主体であるべきなのだ。そう教えてくれる。メジロボサツという馬の名前の由来が哀しい。
2015/08/18
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