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不思議図書館 (角川文庫)

不思議図書館 (角川文庫)

不思議図書館 (角川文庫)

作家
寺山修司
鈴木成一デザイン室
出版社
KADOKAWA
発売日
2005-03-24
ISBN
9784041315309
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不思議図書館 (角川文庫) / 感想・レビュー

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名言集を読んだ時にも感じたが、寺山氏の引き出しの多さ、幅広さには脱帽してしまう。当然ご自分の好みや興味と合わないものもあると思うのだが、やはりいくつになっても好奇心を絶やすことなく、片っ端から読んでやろうという意気込みは見習いたいと思った。幸い、この本の中で取り上げられている本の多くは自分のツボを強く刺激してくれるものばかりで、とても参考になった。特に興味を惹かれたのは「だまし絵の美術史」と「吸血鬼に関する文献資料」 また、「ロボットと友だちになる本」ではあまりに古いロボットへ郷愁を覚え、時代を感じた。

2014/04/09

青蓮

寺山修司が紹介する珍本、奇書の数々。面白く読みました。寺山さんは本当に色々な本を読んでるんだなぁと感心しました。本書を読むともっと色々な本を読みたくなります。「フェチシズムの宇宙誌」「だまし絵の美術史」「食べ方を読む書物」などが興味深い。「好奇心の飛行船に乗って、書物の中の「不思議の国」を旅する私は、もはや女装した中年のアリスのようなものかも知れない。しかし、一冊の書物が一つの世界と同じ位に難解だと思っている学識諸氏を尻目に、ふらりふらりと気ままに漫遊することの愉しさ位は、読者とわかちあいたいものだ。」

2016/06/24

カピバラ

不思議な世界を堪能できました。まさに堪能という感じ。「ナチュラルマジックはあなたの魔法」という章と、「千夜一夜の百科事典」が好きでした。

2015/12/17

kochi

寺山修司が古書店で集めたという主に海外の書籍についてのテーマごとの紹介。テーマは、フリーク、SM、殺人など、ギョッとしたり、家族に内緒で読みたいような。白黒だが図版も豊富だから、バスの中でSMのページを読むのはちょっと… 読んでいる間、実は文章に対する違和感があって、それが、唯一日本語の本が対象の「少女雑誌」の項を読んだときに、なんとなく了解できたことは、寺山の語り口が、紹介されている戦前の小説に似た雰囲気を持っていること。さらに、文庫になったのさえ40年も昔のことで、いまだに売られていることこそ驚き。

2019/06/07

猫丸

寺山修司が亡くなったのが47歳。その脳髄にひしめいた書物世界の行き先を想う。分類・整理とは対蹠的な態度である。本の世界を自分の足で歩き、風景を目に焼き付ける。いったん精神の溶鉱炉に書物を投げ込んで、出て来た蒸気に映るアウラを幻視するような。博物学ではないですね。何ていうんだろうな、むしろ自身が一つの猥雑な書物と化す、というか。批判的読み、なんていう次元とも異なり、著者のしょーもなさをも含めて丸ごと取り込む読み方です。これは心中と言ってもいい。過激だなあ。

2018/12/12

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