おんな牢秘抄 (角川文庫 緑 356-33)
おんな牢秘抄 (角川文庫 緑 356-33) / 感想・レビュー
出世八五郎
『武州無宿お竜、早々穿鑿所へ罷り出でませい!』。捕物と呼ぶべきか時代推理小説です。8代将軍吉宗の時代が舞台で、少々大岡政談を背景としていますがメインではなく、あくまでも舞台です。今回登場する人物は勝手な推測ですが殆ど創作人物だと思う。と軽く調べたら山風らしくちょい役が結構いるかも。それでも歴史知識なくとも楽しめる。“明治断頭台”はラストに向かい大瀑布が流れるような作りでしたが、本作は逆に陽光の中に爽やかな夏の風を感じさせるラストで最後までグイグイ引っ張ります。1960年の作品ですが全く古さを感じさせない。
2015/05/21
ひこまる
2度読み終えた上での感想。(特にラスト2ページは何十回と読んだw)文句なしに面白くラストも爽快で、自分が読み終えた山風の中でベスト5に入った。普通冗長になりがちな連作短編形式だが、全編通してテンションが高く、山風独特のアホトリック(褒めてますw)連発でツッコミ忘れて夢中で引き込まれた。姫君お竜(霞)は『甲賀忍法帖』朧の「破幻の瞳」設定と純情、『風来忍法帖』麻也姫の気高さ可憐さ強さを合わせ持った山風聖女系最強キャラだと思う。ラストの殺陣は読みながら「その美しさに思わず見とれてしまった」という表現がピッタリ。
2012/11/18
kiji
これは素晴らしい。さすが風太郎先生。推理物と忍法帖のミッシングリンクのような作品ですね。魅力的なヒロインの設定と奇想天外の構成力。これぞエンターテイメント
2010/06/02
tenco
★★★★☆ 連作短編。ひとつひとつのエピソードもそれだけで十分読ませるが、それらが全て繋がって…なラストが素晴らしい。さすが山田風太郎先生。粋な七変化をみせた霞ちゃんも可愛すぎ。
2012/05/08
kidatarou56
いつものように最後にひっくり返しますが、珍しく勧善懲悪・ハッピーエンド。美人で頭もよくて武道の達人で恋愛に一途、という完全無欠のヒロイン。
2012/03/11
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