甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫) / 感想・レビュー
W-G
『バジリスク』を全巻持っており、なかなか読む気になれずにいた作品。最近になって、山田風太郎読みたい熱が徐々に高まり、今しかないと決意。かなり細かいところまでストーリーは覚えていたので、ワクワクはそれほどなかったが、もともと好きな作風なので、のめり込むのはあっという間だった。今となっては、同様のフォーマットを用いた漫画が量産され、トレンドとしても、個々の対決にもっと尺をとり、それぞれの背景まで見せた上での死闘とする方が、支持は得やすい。なので、平成生まれ以降の読者には、展開が淡白に感じられるかもしれない。
2022/07/20
青乃108号
間違えて「伊賀忍法帖」を借りてしまい、慌てて借り直した「甲賀忍法帖」。明日も仕事なのでほどほどにと思いながら読み始めたら最後、一気呵成にクライマックスになだれ込む怒涛の展開にページを捲る手が止められぬ。いゃあ面白かった。伊賀対甲賀、総勢20人の奇想天外忍術合戦。何しろ20人の忍者がそれぞれ奇怪な忍術を駆使し、入り乱れ戦うもので人名を憶えるのが物凄く苦手な俺には誰が誰だか分からん状態。だがしかしそんな細かい事はどうでもいいや。とにかく面白かったから。読まずに死ななくて良かった、と思う。
2021/08/10
さつき
徳川幕府三代将軍には誰がなるか?甲賀、伊賀の忍者達に代理戦争をさせ決定しようという奇想天外な物語。肉体を様々な形状に変化させたり、見つめるだけで人を殺したり、妖術に長けた精鋭達の殺し合いは凄まじい。この作品は全く初めてでしたが、私が持つ忍者のイメージそのままなストーリーでした。忍者がやたらと巻物を奪い合うのはここからなのかな?
2021/11/27
Sam
山田風太郎の作品を漁ってるうちに名作の誉れ高い本作に辿り着いた。甲賀、伊賀それぞれ10人の選ばれし忍者が秘術を尽くして戦うというシンプルながらも胸踊るストーリー。読み始めてすぐ、子供のころ大好きだった「伊賀の影丸」にそっくりと気付いたがなんのことはない、本作が元ネタだったらしい。本作からエロとグロを取り去ると「影丸」の世界である。本作では権力に翻弄される儚い運命を描きたかったのではないかと思いつつ、とにかく飽きずに読ませる趣向満載の楽しいエンタメ。禁断のシリーズに手を出してしまったのかもしれない。
2022/02/13
優希
忍者小説の元祖とも言える作品かもしれません。甲賀と伊賀の奇想天外な忍法合戦が繰り広げられます。服部半蔵によって保たれる際どい均衡でしたが、家康によってその均衡が壊されます。徳川家の紛争を両里の精鋭に代理させることにしてからの流れが手に汗握る展開でした。秘術の限りを尽くし、壮絶な血が流れていく様子は忍法を超えた闘いと言ってもいいかもしれません。妖しくも荒唐無稽さにのめり込んでしまいます。流派を超えて恋し合う2人も巻き込まれていたのは切なかったですけれども。過激なアクションは読み応えありますね。
2014/11/28
感想・レビューをもっと見る