傾いた地平線 (角川文庫 緑 357-48)
傾いた地平線 (角川文庫 緑 357-48) / 感想・レビュー
Terry Knoll
自伝的小説をベースにしたパラレルワールドSF(いくつもの時空は並行して存在しているが、お互いに干渉や接触できない。そこには別の自分がいてすこし違った人生を送っている) 会社員をやめてSF作家になった男が、ビルに入ると退職したはずの会社の資材次長になっていた。家庭の状態も少し違う。12月になると別の時空へと。 全体主義になったような日本へ紛れ込み。その次は大震災で壊滅状態になる大阪へ。 時空を飛ぶ度に、学生時代や作家になった経緯などを振り返り、今の自分を探そうとしています。
2015/10/17
洪七公
既読本
1987/11/15
ヤマイシ(病氏)(山石)
知人にSF小説でオススメされたので読みました。気が付くとパラレルワールドに迷い込んでいるという話。作家になったはずが、気が付くと昔勤めていた会社で出世していたり、短期しかいなかった出向でそのまま住み続けていたりと、いくつかの「もしもあの時こうしていたら・・・」の世界をいくつも彷徨います。今この瞬間が別物になったらと思うと、ゾクっとしますね。
2013/08/27
Margate
昨日の地震はおっかなかった 東北方面の方はもっともっと、でしょうが この本はパラレルワールドもの(おそらく)なのですが ひとつのエピソードとして「大阪大地震」ってのが 焦土と化した大阪の情景と共にサラッと・・・でてきます 「阪神大震災」の起こるずっと前に書かれた本なので 実際に起こった時はこの作品を思い出して驚いたものです 眉村さんのSFは好きでほとんど読みました 言いにくいのですが 他に好きな作品がたくさんあるので これが特に「お薦め」ってワケではないです 2003/05/27 (TUE)
アヴィ
サラリーマンSFの第一人者による、まさにサラリーマンSFの名作。作者本人を連想させる中年の作家が出先で突然並行世界に移行するという異次元物。サラリーマンなら誰しも、あの時あの会社を辞めてなければ、今頃は本社で課長くらいなってたろうか、それともあの拠点の次長くらいかな、などと考えることはあると思います。でも、よくよく考えれば、あの時決意をして転職しているわけで、そんな選択肢はなかったことに思い至るわけですが、そんな悲哀も含めてやはり本作はサラリーマンSFの名作ですね。
2024/10/14
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