石の血脈 (角川文庫 REVIVAL COLLECTION は 1-1)
石の血脈 (角川文庫 REVIVAL COLLECTION は 1-1) / 感想・レビュー
TheWho
SFの作家の大家の1971年刊行の処女長編。当初クロノスの壺、ハイリッヒ・シュリーマン、孫のパウエル、そしてイスラム暗殺一派のアサシンから山の老人、古代宗教と、正に大ファンであった東周斎雅楽原作の「イリヤッド-入矢堂見聞録-」を彷彿とし、ワクワクしながら読み続けたが、核心に迫るうちに吸血鬼や狼男の伝説や魔女サバト饗宴等数々の情欲・愛欲が絡み合い、泉鏡花的な幻想伝奇ロマンに展開していった。壮大なテーマに圧倒されたが、何とも感想し辛い作品です。
2019/09/18
織田秋葉
読友さんの感想みて気になったので、図書館本。読んだのは旧版です。 昭和47年と、かなり昔の作品ですが、時代風俗的なものはともかく、話の内容は全然古びてなくて、今読んでもとても面白いです。 アトランティス文明、イスラム教暗殺集団、北欧神話や吸血鬼、狼男ときて、石化して不死となることを目論む美男美女の集団。 成り上がりの主人公隅田が権力の魔力に取り憑かれ、友人を裏切っていく様が哀しい。ラストが哀しいけれどいい終わり方だなあ、と思えて好きです。閉ざされた空間で石化した元人間を壊し続ける人狼2体。
2014/12/31
touchthepeak
電子書籍で読了。半村良のデビュー作で、巨石文明を巡る謎をアトランティス大陸神話、イスラム暗殺教団、バンパイア伝説、狼男伝説等を絡めて描いた長編SF伝奇小説。一応主人公らしき存在はいるものの、様々な登場人物の立場からストーリーが語られるため、全体的に散漫な印象がどうしても残ってしまいました。また、60年代の東京の描写は個人的に興味深かったものの、ポルノ小説まがいのシーンが多く、そういったあたりに嫌悪感を持つ人は多いかもしれないですね。
2014/10/29
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
☆×4.5…感想を書くのが非常に難しい作品に当たりましたね。この作品が求めるものはおそらく、誰しもが一度は描くことでしょう。ですが、そんなにその事実は甘くないこと。いやおうなしにその陰謀に飲み込まれてしまうものたちと、それを画策するものたちの物語。人の欲はとかくどこまでも深いもの。ですが、最後の思わぬ行動にはきっと驚かれることでしょう。そう、すべてが分かり、その負の事実に気づいたときには…たぶん、読後はポカーンとなるはず。
2012/09/30
スズツキ
今現在出版されたとしたら、広義のミステリーとして各種ベストにランクインしたかもね。
2010/12/06
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