つむじ曲りの世界地図 (角川文庫)
つむじ曲りの世界地図 (角川文庫) / 感想・レビュー
まぶぜたろう
パラパラいいとこだけ読み返してきた40年、通読したのは超久々だったのだが、本書の大部分を占める旅行記が思ってたほど面白くないのに驚いた。「ド・セルビイ式」旅行、つまり、旅行には出ないで絵葉書やガイドブックだけで旅行に行った気になることをテーマとしてるんだが、なんかどうでもよくって、むしろ、ミステリ同様、映画や芝居(あるいはマッサージ)についての脱線こそが面白い、ってのが逆に凄い。何度読んだかわからないが、「ラディカル」な外国女性との大島渚談義に爆笑し、「アメ・グラ」についての片岡義男との話もいいすねぇ。
2024/10/28
イカ男
「孤独に耐えられない人は、外国旅行は不向きである。(中略)たえず襲ってくる不安、孤独感を自分の味方にしてしまうのも、旅の本来のあり方ではないか。絶対の安全が保証されたとたん、旅はその魅力を失うだろう。だれにも相手にもされずに、肌の色の違う人々のあいだをさまよう時の、刺すような孤独感には喜びがないといえるか。」
2011/03/14
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