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夢魔の爪 (角川文庫 緑 454-2)

夢魔の爪 (角川文庫 緑 454-2)

夢魔の爪 (角川文庫 緑 454-2)

作家
仁木悦子
出版社
KADOKAWA
発売日
1978-12-01
ISBN
9784041454022
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夢魔の爪 (角川文庫 緑 454-2) / 感想・レビュー

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Yu。

内容自体はお堅いのだが、読み手の緊張感を解く探偵役の色がなんとも心地の良い雰囲気へと持っていく(だから仁木作品が好き)。。で、本作は子供から大人まで様々な探偵役のキャラ立ちが愉しめる6篇。お気に入りは、まず“仁木兄妹”は別格なので『赤い痕』『虹の立つ村』は外せない。他に、ちびっ子姉妹と車椅子女性という異色のコラボが活躍する『小さい矢』は、初々しくておもしろい。あと、唯一探偵の出ない哀歌的ミステリ『おたね』は、いつもの著者のスタイルと違ってとても印象深い。。あっ、スタイル違いと言えば『ねむい季節』は、SF。

2017/08/07

pepin

短編集。仁木兄妹ものが2編。「赤い痕」「虹の立つ村」発表順に追いかけているつもりが、学生だった2人がいきなり子持ちになっていてビックリ!どちらも短編ながらしっかりと成立した本格推理。「小さい矢」当時最先端だったであろう2DKの団地が舞台。車椅子の若妻と近所の姉妹が殺人事件を解決に導く。「裏窓」を彷彿とさせるサスペンスと、仁木さんお得意の子供の描写が良い。そして「おたね」プロバビリティ犯罪を扱うミステリーだけど、ジャンルを超えた素晴らしい短編小説。懸命に生き抜いた一女性の人生を描き出した傑作。

2020/05/10

harukawani

初めての仁木短編。素敵だ。驚愕とか、驚天動地とか、そういう派手な形容詞は付かないけど、全編とにかく素敵だなぁ、と。もちろんミステリーとしても上手いんだけど、登場人物の描写が生き生きしてるのがたまりません。特に子供の描写は格別。殺人は起こっても、どこか清らかなでほのぼのとした雰囲気が大好き。けれど、その中でも違う色を見せる傑作が「おたね」。時制を鮮やかに切り替えながら、わずか20ページで、あるプロバビリティの犯罪を、そしておたねの人生を描く語りの妙。本当にすばらしい。これは読むべし、です。

2015/09/19

http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2005/03/post_28.html

2017/06/04

しーやん

30~50頁程度の短編×5話。頁数の関係上大掛かりなトリックはありませんが伏線が作ってあるので、読み終えた後に都度短編を読み返した本でした。 最終話は昭39年に執筆。舞台は現代よりももっと先の未来のお話。出てくる家電等は今よりも多機能な世界。 …なのですが「現代」の技術は執筆当時の空想・想像を絶する発明がなされていて興味深かったり。 ロボットに搭載のカメラはマイクロフィルムに残されて、見る為には現像が必要。しかし今やSD×端末。 考えりゃ子供の頃に見たスパイのマイクロチップが今や現実の物なのですよね。

2018/03/28

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