ギャンブル党狼派 (角川文庫 緑 459-55)
ギャンブル党狼派 (角川文庫 緑 459-55) / 感想・レビュー
よっしー
★3 ギャンブル小説といえば阿佐田哲也。いつ読んでも面白い。
2017/07/06
hirayama46
ギャンブルものの短編集。第一話~第五話と括られていますが、連作として直接的なつながりはなく、独立した短編集と言えそう。後期の作品集なので、熱気よりも人間の深いところに存在する業を描いた短編が多いですね。お気に入りは手本引きの胴元の女性とのロマンスに近い要素のある「耳の家みみ子」、老境に差し掛かってからギャンブルに熱中する、長く一般人として生きてきた人物のあっけらかんとした崩壊を描く「ズボンで着陸」あたり。
2020/09/07
ファーラス
面白かった。短編集。氏と言えば麻雀×人間小説の第一人者・文豪だが、本作は麻雀に絞らずポンヒキや競馬など、題材をギャンブル全般に広げて人間の愛憎や因業を描く。とはいえ、麻雀以外において達人のギャンブルの理論は「人心を読む」「ツキを読む」で、「ツキの上下」が物理法則のように存在する前提なので、私のような門外漢からするとオカルト対戦感が拭えず、麻雀話ほどの締まりを感じられなかった。「イカサマ有りの麻雀」というのは、ギャンブル浪漫の小説化として発明だったのだなと。耳の家みみ子はかっこよかった。
2022/12/02
banguicity
随分前に読んだ本だが、阿佐田名義の短編集の中で一番好きな本。「耳の家みみ子」テホンビキのプロみみ子が銀行員の宏を狂わせ、みみ子自身も賭場から追われる身になっていくさまが、ホンビキの痺れる描写を織り交ぜながら書かれていく。みみ子の才能、妖艶さ、立振る舞いなんかに、宏とともに自分もやられた。テホンビキの描写は「小説阿佐田哲也」にも出てくるが甲乙つけがたい。「シュウシャインの周坊」も好き。
MIU
どれも傑作。餓えた心と、本人にはどうすることも出来ない賭博という行為への衝動。エンタメでここまで魅力的な文体は稀です
2016/10/10
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