エロイカ変奏曲 (角川文庫 緑 478-4)
ジャンル
エロイカ変奏曲 (角川文庫 緑 478-4) / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆☆ ファザコンの美人ピアニストの愛。ピアニストは愛を観念的にとらえているように見受けられる。だからゴーストライターのトキオとの会話は硬質でぎこちないものに映る。しかし物理学者との別れの直前に発する「あたしのために、人類を裏切ってください」という一言は、物理学者へも、立会人であるトキオにも、そして読者にも、真っすぐに突き刺さってくる。ゴーストライターはピアニストの<あなた>との出会いを通じ、<署名入りの小説>を完成させた。全編二人称で語られるのが効果的。魂の弁証法(ディアレクティク)。
2019/03/04
キー
『やがて笛が鳴り、僕らの青春は終わる』から五年後の物語。前作の主人公トキオは、紆余曲折あり、有名芸能人達のゴースト・ライターとして生計を立てていました。若く美貌の女性ピアニスト真木五月と、彼女の男性遍歴をスキャンダラスに書くように依頼されたトキオとの会話が中心となっているので、前作で感じた『星の王子さま』に似た要素が、より濃く感じられました。これも前作のように約30年ぶりに再読しましたが、真木五月が語る正論とも理想論とも言える言葉は、あのとき頃よりも今の自分に痛く刺さった気がします。
2017/04/24
ツカモトカネユキ
再読です。 案外、あっさりしてます。 自分には、わからない音楽部分が通り過ぎて行くので、この部分がわかると、また受け取り方が変わるかもしれません。
2017/06/24
感想・レビューをもっと見る