新・知的悪女のすすめ (角川文庫 緑 494-3)
新・知的悪女のすすめ (角川文庫 緑 494-3) / 感想・レビュー
ぐうぐう
シリーズも三冊目となって小池真理子は、自分語りを選択する。女性の生き方を論じてきた小池が、ここに来て自分を語ることにしたのは、いわゆる評論家になることの否定を表明する行為としてある。社会を都合よく考察する無責任さより、自分を振り返り論じることの困難さを選んだ小池のこの誠実さは、のちに彼女がエッセイストから小説家へと舵を切る、その大きな分岐点となる一冊を生んだのかもしれない。「私は私であり、私という女なのだ。そして、その私という女はいつも何か創造的なことをやっていたいと願っている。(つづく)
2023/11/16
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