悪の愛情論 (角川文庫 緑 494-4)
悪の愛情論 (角川文庫 緑 494-4) / 感想・レビュー
ぐうぐう
モラルを疑うことは難しいが、どうして疑わなければならないかを論理立てて、しかも説得力を持って説明するのはさらに難しい。「だが、私が興味をもつのは、その“常識”に従えなくなった時の人間のとる行動と感情の動きである。それは、抑圧され続けてきたものが一挙に爆発する時の様子に似ていると思うのだ」社会批評のように見えて、小池真理子が女性運動のような集団に与しない理由が、ここにある。小池の興味はあくまで、社会ではなく人間に向けられている。彼女のエッセイにはよく、友人・知人のエピソードが登場する。(つづく)
2024/01/16
感想・レビューをもっと見る