猫を抱いて長電話 (角川文庫 こ 3-12)
猫を抱いて長電話 (角川文庫 こ 3-12) / 感想・レビュー
ぐうぐう
1987年から1990年に掛けて雑誌に連載されたエッセイを中心に収録した『猫を抱いて長電話』。あまりにもたわいのない内容は、三十代という小池真理子の年齢(と、小説家デビューしてわずか数年)がそうさせているというよりかは、タイトルが示す通り、飼い猫を抱きながら気の合う友人に長電話で話すような内容をあえて目指したと好意的に捉えたい。とはいえ、現在のジェンダー概念からすればアウトな視点もあったりして、作家としても発展途上で、なおかつ大らかな時代性も考慮しての読書を心がけた方がいい。(つづく)
2020/08/25
じんぎすたん
小池さんは小説しか読んだことなかったけど、想定外にユーモラスだった。主に90年代に書かれたエッセイだけど、今読んでも恐ろしいほどに違和感ない。なんだか日本って停滞しているんだなぁ、と暗澹とした気分に。「快楽というのは(中略)生身な自分を何の抑圧もなく表現するということ」「ホテルには日常がない。生活がない。(中略)これを晴れがまさかと呼ばずして何と呼ぼう」って良いなぁ。あと架空の「信州のおばあちゃん」は面白いなぁ!私も良くも悪くも都会っ子なので、田舎のおばあちゃんを妄想してみようかな。
2022/10/18
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