ジャズと爆弾 (角川文庫 な 22-5)
ジャズと爆弾 (角川文庫 な 22-5) / 感想・レビュー
ケイ
龍と春樹の対談でも思ったが、村上龍は無理せず肩肘を張らずに話す人で、おそらく物の見方も素直なのだと思う。基地のアメリカ人達との付き合いやドラッグの使用も、非行というより若さからの無謀であったのではないか。そこが中上健次と明らかに違うところで、中上が言うように育ちが違うのだろう。龍の素直さが若い頃から対談番組を司会してこれている経歴に繋がるようにも感じた。龍が最後、中上さんは生まれや土地に呪縛されていてそこにこだわり過ぎていてはいけないと語っているが、中上は最後までそれに成功しなかったのではないか。
2014/11/24
メタボン
☆☆☆ 文学、ジャズ、映画、基地、ドラッグ。題材はあちこちに映りながら、二人とも気遣わずに言いたいことを言っている感じ。率直で面白い。中上健次が今も生きていたら、是非また村上龍と対談してほしかった。今では二人とも、もっと深い対談になったのではないかと思う。
2022/02/21
MASA123
「ジャズ」で検索して見つけた図書館本。1977年の発行で、3編の対談と、短編小説2本と短いエッセイで構成されている。編集者に整形されたマイルドな対談ではなく、臨場感のある会話にすこし驚いた。 当時の角川書店は時代の先端だったから、かなり先鋭な本になっている。 中上「文芸誌読んでる小説家志望って絶対だめだ。」 村上「それは百パーセント言えるよ。絶対だめだよ」 中上「・・・中上も村上も既成として否定する。そうあって欲しい」 村上「・・・小説家が、同業者の小説を、一冊読み通すなんて気違いだと思う、ほんとに」
2022/12/25
葉隠
再読。高校時代のバイブルでした。バタイユやフェリーニとか これで知りました
2019/09/15
Nepenthes
以前さらっと立ち読みした時は「何だかイキリ合いみたいで下らないな」と思ったのを読んでみた。村上龍の才能がどう培われたか…文学も映画も圧倒的な量を吸収してる上に福生の体験…なるほどなと思った。短編もキレッキレ。けど何処か醒めてたのかなと思う。エッセイで「日本の大人が求めているあらゆる快楽をNYの少年は一晩で体験する」と書いてたけど福生で体験した衝撃を求めながらもその苛立ちと飢えを燃料にしてたんだろうか。目線が社会に向く前の原石のような瑞々しさがある。二人が挙げている映画と文学を読んだり見たりしたいと思った。
2023/11/09
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