いつかまた、プレイボール (角川文庫 緑 540-53)
いつかまた、プレイボール (角川文庫 緑 540-53) / 感想・レビュー
nemuro
本棚で見つけたのだが、はていつ買ったものやら。かなり古めな本。奥付には「昭和60年11月25日 初版発行」。「定価260円」でブックオフのシールは見当たらず。で、ブログ(ジュゲム&アメブロ)内を検索。そうか昨年10月、図書館の古本市にて。なんとなく持ち帰りあまり記憶に残らなかったのかもしれない。当時、各誌への発表作を文庫版にまとめたものと思われる。緻密な取材に基づくノンフィクション。選手、監督、審判など、時々の心境がつぶさに語られている。本棚には『スローカーブを、もう一球』が待機中。さていつ再読しようか。
2022/05/20
背番号10@せばてん。
1986年読了。本書は70~80年代に活躍し、今ではあまり語られない選手が多数。有田修三、片平晋作、佐藤政夫、加藤博一、木下富雄、高沢秀昭、坂巻明、等々。この渋さがたまらなく好み。(2021年6月10日入力)
1986/06/20
ホークス
山際淳司氏のエッセイは、スポーツの熱血的な面をしっかり捉えながら、同時に冷たい明晰さも備えており、おかげで自分などでもシラけずにスポーツの世界に入り込める。しかし本当の所、氏は熱血が好きだったんだろうか。こんなことが書かれていた。かつて一つのイデオロギーや指標で社会を語れた時代、スポーツ選手は人々に代わって闘う戦士たり得た。戦士の面影を残していたのは、プロ野球なら江夏が最後で、原や江川にそれはない。良い悪いではなく、社会を背負う「大人」になることが困難になったと氏は言う。真摯さと諦念が生む味わいがある。
2015/08/23
きら
選手、監督、スカウト…… プロ野球にかかわる、様々な立場の人々に取材して、彼らのオフ・シーズンを綴ったノンフィクション。 今から四半世紀前の話なので、色々な点が現代野球と異なっているが、その違いもまた楽しい。年俸とか。しかし、もちろん、普遍な部分はやっぱり普遍。西武ファン的には、現役時代の片平晋作が取り上げられているのが嬉しかった。山際淳司、ご存命ならまだ六十歳ちょっと過ぎたぐらいか…… 早すぎる逝去がつくづく惜しい。もっともっと長く生きて、彼の目から捉えた、中村剛也や中島裕之の姿を読ませて欲しかった。
2011/09/26
naimon
1984年前後。太田幸司、水野雄仁、王貞治、有田修三、佐藤道郎、今井雄太郎、加藤英司、片平晋作、袴田英利、高橋直樹、丸尾千年次、岡田功、坂巻明、松原誠、高沢秀昭、佐藤政夫、木下富雄、加藤博一。 スカウトやコーチ、審判も含めた18人の思い。何かが変わり始めたこの時代を、「プロ野球」で過ごした人たちの一瞬を切り取った山際淳司による冒頭の一文「何かが終わり、新たに何かが始まる」が深い。確かに何かがこの時代で終わったのだろう。
2009/10/13
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