薔薇の女: アンドロギュヌス殺人事件 (角川文庫 緑 563-3)
薔薇の女: アンドロギュヌス殺人事件 (角川文庫 緑 563-3) / 感想・レビュー
白義
犠牲者の肉体から構成される肉人形というおぞましき事件に戦時下フランス文化人の対独協力問題、プルーストの小説より取られた名前やアンドロギュヌスというモチーフなど、初期三部作の中でも小説的な技巧とおどろおどろしさは随一。逆に達者な分前二作にあった思想的切実さは薄れている。だが、バタイユとの思想対決は倒錯的な猟奇犯罪の捉え方をメタレベルで捉えようとしたものだし、また外観の異常さを少しずつずらす形で意外な真相を提示するテクニックもそれと合わさって効いているし、思想書とミステリを融合させた必然性が消えたわけではない
2017/07/31
koma250
初版を手にした笠井潔。あれほどうれしく帰ったのは珍しい。連作でありながらマンネリでない。今では寡作であったことで1作ごとに印象が深い。
慧
★★
まぬー
長い間、積読状態だった作品をやっと読了。ミステリーとしては上出来なんだろうけど、自分には高嶺の花的作品でした🤔
2023/09/25
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