奇妙な味の菜館 (角川ホラー文庫 406-1 現代ホラー傑作選 第6集)
奇妙な味の菜館 (角川ホラー文庫 406-1 現代ホラー傑作選 第6集) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
作家・阿刀田高氏による日本のホラー傑作選の第2弾。第1弾と同じく、錚々たるメンバー、志賀直哉・芥川龍之介・夏目漱石・岡本綺堂・中島敦・横溝正史・夢野久作等々により15編の掌編・短編で編まれている。阿刀田氏が選ぶ作品の傾向は、今流行りの”実話・怪談”ではなく、”文豪怪談”と呼ばれる部類で近代日本の文壇界を率いてきた文豪たちによる怪談・ホラー・オカルトなど、アンソロジーな幻想的色彩を持った作品集となっている。
2021/06/08
新天地
一応角川ホラー文庫だし「現代ホラー傑作選」ともあるけれど、そこは阿刀田さん。やっぱりどこまでも奇妙な味の傑作選だった。一番好きな話は中島敦「名人伝」この中の”不射之射”は”守・破・離”の考えを思い出し、一生考えていられそうなくらい深い。他には芥川龍之介「さまよえる猶太人」が信仰とは何なのかの考察が面白くて好き。また中村真一郎「救いを求める声」は切なさが良い。それにしても冒頭がたまたま最近読んだ志賀直哉「剃刀」で、これでもう志賀直哉へのイメージが変な方向で固まってしまったかもしれない。
2016/12/10
ジャム
芥川龍之介、川端康成、志賀直哉、中島敦、夏目漱石、横溝正史、夢野久作・・・錚々たる戦前戦後の文学者の「奇妙な味」と呼ばれる短編を集めたホラーアンソロジー。ミステリ的には無垢な子供心が引き起こす皮肉な犯罪を描いた大下宇陀児「毒」と妻を殺した男の意外な顛末を描いた久生十蘭「湖畔」が特に印象に残りました。
2016/09/24
わた
超有名作家さん達が収録された作品集。 教科書に載っている人だったり、名前は知っているけど読んだことなかった作家さんの作品が読めたりとなかなか面白かったです(^^)まぁ古い作品ばっかりなんで、読みにくいものもありましたが。個人的には久生十蘭の「湖畔」が好き。最初難しくて読みにくいと思ったけど、読み進めるにつれてどんどん物語に引き込まれていきました。また別の作品も読んでみたい。
2018/09/27
カワセミ440
ホラー文庫、これも久しぶりの再読。文豪たちのホラーも面白かった。川端康成ってこれだけ読むとかなりヘンな人っぽい。ほとんど読んだことのない久生十蘭さんの『湖畔』が面白かったかな。
2020/05/29
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