悲しき熱帯 (角川文庫 緑 586-1)
悲しき熱帯 (角川文庫 緑 586-1) / 感想・レビュー
明石
文章を読みにくくする方面に個性を働かせてしまったら、その当然の帰結として、小説は読まれなくなるんだろうなあと思った。村上龍がだんだんと忘れかけられているのは、本作はもとより『限りなく透明に近いブルー』のような、限りなく読みにくい小説を初期の頃にたくさん書き、その手のコテコテの「純文学」作家として認識されたことが巡り巡って仇になったのかなとも。今でも本屋さんに一番並んでるのは『限りなく透明に近いブルー』で、以前、同棲してた恋人が、同作を読んで、もういいや、と途中で投げ出し私の本棚に潜り込ませたのを思い出す。
2023/10/02
Kaoru
村上龍初期の尖りが良い。
2023/10/03
hirayama46
村上龍の初期短編集。なので雰囲気としては『限りなく透明に近いブルー』あたりの延長線上にあるように思えました。いつもの身も蓋もないあとがきが嬉しい。「本当は、熱帯は悲しくなんかない。」
2018/02/13
miho
ものすごく久しぶりに読み返す。この頃の村上龍はほんとに好き。当時は春樹よりむしろ龍派だった。熱帯のむあっとした熱気のなかに、やりきれない悲しみと抑圧されて爆発する寸前みたいなエネルギーを感じる。
2015/09/12
MIDUNA
この人の作品を読んでるといつもなにやってもいいんだなーって思う。この人のような淡白で淡々とした文章を書いてみたい
2014/02/08
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