真夜中へもう一歩 (角川文庫)
真夜中へもう一歩 (角川文庫) / 感想・レビュー
優希
消えた屍体というモチーフにスタイリッシュな世界観。ハードボイルドの魅力を強く感じました。
2020/12/24
Schunag
3読目か4読目。モルグから消えた死体とオースチン・ヒーリーということはカーター・ブラウンへのめくばせがまずあって、題名とラストシーンは『深夜プラス1』。複雑怪奇なプロットをスタイリッシュきわまる文体と会話で描いているため決してわかりやすくはなく、とはいえ華麗な語り口を玩味するだけでもじゅうぶんに価値はある。フリーランスの警官がフリーランスでいられる夏の終わりから秋のはじまりにかけての「休暇」の物語。植民地式の豪奢が真夜中の静けさに息をひそめてうずくまる最後の2章の場面が忘れがたく美しい。
2021/10/05
azur
強力な感染力のある小説世界。無邪気にも、いいなー、横浜も一度住んでみたいなーと思わせる。もっとも、仮にそんな機会があっても、自分なんかはこの小説に出てくる車に乗ることもなければ、米軍将校が出入りするバーに行くこともないし、せいぜい何となくアメリカぽい喫茶店でハンバーガーを食って少しだけ悦に入るくらいのことしかできないだろうけど。
2010/02/11
ほむほむ
ハードボイルドとは文体のことだ、と矢作俊彦が何処かで語っていた。生き方のことではないのである。そのことを日本で誰よりも知っている氏の「ハの字」小説。 非番の警官、二村永爾が依頼を受けて休日探偵となる。夜気に潮の香りを探すように都市を彷徨う。人を渡り歩く内にバーで美女と出会う。気の利いた科白、そしてグラスの中で鳴る氷。硬質な豊穣さを引き締める活劇。そんな二村の見せる世界に単純な僕らが単純に憧れている時点でハードボイルドの土壌は埋め立てられ、もはや見え無くなってしまったのだろう。そう、横浜の海のように……
2012/10/08
kama
★★1/2 物まねほど極端になるので、本書の会話、減らず口、比喩はとても不自然で疲れる。また人物設定やプロットも破綻している印象。もしくは医大生二人の姓(田沼、石山)から推測されるようにある種冗談か?あと表4の説明も誤解されそうだ。
2016/10/25
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