蛮賊ども (角川文庫 ふ 2-3)
蛮賊ども (角川文庫 ふ 2-3) / 感想・レビュー
naimon
1982年、アフリカ南部ジンバブエの独立時点の物語。さすがの船戸与一の物語。逃げる白人に護衛の傭兵、二人の日本人に、ゲリラに政府軍。様々な思いが交錯し、アフリカの大地を血で染める。読後は、いつもの、なんともいいようのない虚無感。なお、作者の予想通り、白人所有資産に関して2000年8月に強制収用が始まり、さらに現在、ジンバブエは、ほぼ24時間で価格が2倍になる、というとんでもないインフレが発生している。
2011/03/06
Katsuto Yoshinaga
大船戸の小説群の中では佳作だが、船戸史観においてはアフリカ現代史の、傭兵による一面を切り取った逸品である。かつてローデシアという国があったという事実、ジンバブエとなった後、その国について現代日本でとりあげられることはほとんどない。タイトルの「蛮賊」とは「傭兵」のことである。本書の舞台となっている80年代初頭のアフリカは、その傭兵どもという人種が現実に生き、跋扈する最適な地であったのだ。初版刊行時以来、改めて読み返すと、サム・ペキンパーのいくつもの映画作品と同じ匂いを感じる。
2015/01/26
しょうゆ
ジンバブエを舞台にした下衆な成金と傭兵と軍隊の争い。結局、登場人物がみんな蛮族なんだろう。決してポップではないので読む人を選ぶ作家さんだと思うが、発展途上国の知られざる実情や、そこで苦しみながら生活する人々の心情を描ききるスタイルは健在。最後ため息をつきたくなる。
2014/01/21
otis2222
1980年、英国から独立したジンバブエ共和国が 舞台。国外に私有財産持ち出し禁止の国で 白人富豪が全財産を金塊に換え、南アフリカに 運び出そうとする。 その役割を請け負った傭兵達の物語。 350ページでは描ききれなかった感じ。
2023/05/03
ゆきまる
結局は日本人二人が果たし合いで、両方とも死んだで幕切れとしたのかよ。ラストのまとめが悪い。
2015/12/09
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