やがて今も忘れ去られる (角川文庫 き 9-62)
やがて今も忘れ去られる (角川文庫 き 9-62) / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
銀色さんの詩集は、読む薬のようなもので、ページをめくるだけで、萎れた心が甦る。単調で平凡な毎日の生活から来る憂鬱な気持ちを、生き生きしたもの変えられるところが好きだ。甘いだけではなく、毒も仕込んであってひりひりすることもあり、はっと覚醒することもある。あまり関心のない恋愛のことが書かれている点が玉に瑕か?(苦笑)他の詩集と同じように、写真がきれいなところも良かった。
2017/08/03
おくちゃん🍎柳緑花紅
夢をみさせてから その夢をくだかれた それでも くだかれたゆめの破片は ここに 心の中に残っているのよ。あまりにも好きで その気持ちを持ちこたえるのがつらかった あまりにも好きだと 何も望めないんだね あまりにも好きで いっそ嫌いになりたかった 知らないままでいたかった 知らない頃には もどれないけど ずっと好きで 今も好き この好きは 何も望まないから たぶん強く 守られる。ああ!銀色さんあなたの感性、詩も写真もとてもとても私を魅了します。
2015/10/29
masa@レビューお休み中
生きることは孤独だ。そして、忘れるという行為は孤独であるということを痛感させられる。人は生き続けている限り、忘れることと隣り合わせに生きていかなければならない。大切な記憶も、いつかは忘れてしまう。愛しい人との出会いも、一緒に過ごした季節も、旅した思い出も…時とともにいつかは流されてしまう。やがて今も忘れ去られてしまう。抗うことはできない。逆らうことも許されない。僕らは、そうやって生きていくしかないのだ。
2013/05/11
chantal(シャンタール)
朝から一日中雨で、どこにも行けず、何も出来ず、ただ本読んでるだけの一日。何気ない街角の写真を眺めながら、ああ、こんな事じゃいけんよなあ、とため息。私のちっぽけな人生なんて、やがて誰からも忘れ去られちゃうけどさ、でもだからって、ただただ家と会社の往復だけの毎日なんて、寂しすぎるよね、と思った次第。明日は雨が上がらないかな〜
2018/08/25
美登利
何気ない庭の片隅を切り取ったような写真と、恋愛に夢中になったあとの、別れの気配を感じさせる詩が、物悲しくも美しい。きっと、もっと若い時に読んでいたら、ぐんぐんと胸に押し迫ってきて、苦しくて眠れないほど動揺したかもしれない。そんな懐かしい片思いや、離れていく気持ちを思い出させる詩たち。
2015/10/06
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