帝都物語 3 大震災篇 (角川文庫 緑 690-3)
帝都物語 3 大震災篇 (角川文庫 緑 690-3) / 感想・レビュー
KAZOO
私の持っているのは古いのだったのですが、新しい方を登録してしまい失敗しました。この三巻目では、いよいよ加藤が魔王ぶりを発揮してきます。関東大震災があり、新しい年の方針などが出てきます。当時よくまあこんな物語を思い付いたのだと感じています。京極さんも結構面白いものを書かれますがここまではみ出ることはないですね。
2016/11/13
saga
【再読】大震災篇は関東大震災直前から書き起こされ、加藤の思惑どおりに発災。そして、辰宮由佳理・雪子母子の様子を描くとともに、本書の半分近くを後藤新平を筆頭とする復興院の動きや、東京地下鉄道建設に燃える早川徳次といった史実の記述に紙面を費やしている。長編小説として、著者が楽しんで書いているのだろう。雪子を依童として帝都の完全なる破壊を目論んだ加藤だが、そのコントロールに失敗! それは江戸を守る将門の念なのだろうか?
2020/12/17
ヨーイチ
関東大震災とその後の復興期。もう何が出てきても驚かない(笑)震災直後の号外が値打ちもの。題名に相応しく物語の基調に都市計画が有り、地下鉄の建設話が面白い。大昔、初めて日本橋・三越に銀座線で行った時の驚きを思い出した。ひょっとしてライオン像にも陰陽道的な魔除けの意味があったのではないか?なんて空想も。呪われたヒロインの治療に絡めて「松沢病院」の来歴、高尾山の薬王院の話しとか、精神医療史の薀蓄も。初めて知ったのが今和次郎・考現学者で、まぁ著者のスタンスが伺える人選。
2019/04/22
らすかる
魔人加藤に攫われてた由佳理が娘を出産。果たして魔人の子なのか?! そして関東大震災が。ますます目が離せません。
2019/04/02
猫丸
大正の震災後、都市計画は地下へ。寺田寅彦発案の地下都市構想を実現すべく、まずは地下鉄道建設開始まで。途中「間奏曲」として考現学の祖、今和次郎が登場(映画ではいとうせいこうが演じた)、さらに地下鉄掘削のため学天則も登場(開発者の西村真琴は水戸黄門で有名な西村晃の父。西村晃は映画「帝都物語」で父の役で出演。このあたりの経緯は「大東亞科學綺譚」に詳しい)。要するに荒俣さんの好き勝手放題を書いている。本筋よりこっちの方が面白いのが困る。また、寺田の鉄道混雑の研究が併読中の別の本とシンクロした。最近シンクロが多い。
2019/02/08
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