帝都物語 第六番 (6) (角川文庫)
帝都物語 第六番 (6) (角川文庫) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
魔人・加藤を阻むため【破滅教】の大宮司・角川春樹(元角川書店社長)の霊告に召された若き白面の貴公子は、大古より天皇の御陵を築いてきた土師一族の首領・土師金鳳。最良の御陵選定のため風水を身に付け、大地の先霊を鎮める祭式一切、鎮魂の舞楽を舞う、夜と闇と死を統べる一族。そして鳴滝純一の妄執が喚び戻した辰宮由佳里、三島由紀夫の転生として団・岡田と共にコンピュータで大スクリーンに九字を切る大沢美千代。三島の遺した関孫六で東京湾の海竜斬り、破滅をもたらした魔人は将門の娘・辰宮由佳里の首を刎ね、その霊の落ち延びる先→続
2015/09/07
zag2
とうとう完結、ようやく読み終わりました。旧版を大幅に加筆・訂正したということですが、旧版を読んだときの記憶が既にほとんどないので、新鮮な気持ちで読みました。壮大な物語を読み終えて、少しばかり感動を覚えています。旧版が発売された当時も、荒俣さんの博覧強記振りに驚きましたが、読み終えてホントにすごい小説だとしみじみと感じています。今度は新帝都物語を読んでみようと思っています。
2023/03/16
緋莢
完結巻。旧版9、10を加筆・訂正し、再編集したもの。 昭和73年、東京で再び大地震が起こります。<まえがき>で「この小説を執筆した当時は(中略)震度七という大きさの地震はまったくフィクションと考えられていた。ところが1995年に神戸で、震度七が現実に発生してしまった」と書いています。その後、2011年には東北でも大きな地震が起きましたし…明治の終わりから始まった加藤保憲との因縁にも、ついに決着の時が(続く
2019/05/07
東京湾
「崩壊の光景は、いつも、必ず美しい―」物語は遂に完結へ。鳴滝翁の妄念によって再現された旧き日の帝都。世紀末の東京に待ち焦がれたかの如く襲い来る再びの大地震。壮絶な崩壊の渦中で明かされる、魔人・加藤保憲の正体とは。素晴らしい終幕だった。式神相手にコンピュータで戦うとは時代の変遷を感じる。兎に角ハラハラさせられた。そして帝都の霊を救うため立ち上がるは若き風水師・土師金鳳。最後の最後に凄い良いキャラを出して来たなと。クライマックスに相応しい崩壊に次ぐ崩壊。思わずその壮麗さに魅せられてしまう。素晴らしかった。
2017/04/17
姉勤
百年にわたる物語の完結。登場人物や架空世界という積み上げた積み木を作者がブッ壊す。酔い痴れる。「喪神篇」「復活篇」をまとめた最終巻。”昭和73年”に首都崩壊するという世紀末終末感。古神道・道教・密教その他の風習がミックスされ、史学的東京とは離れた「もうひとつ」の東京の行く末を観る。都市直下型大地震が、何時起こるか分からないとされつつ次の御代になって26年。さらに増殖し続ける東京に再度オリンピックが招かれ、更に改造されていく未来を魔人加藤は、今の帝都をどう見るだろうか。
2014/01/31
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