浮世絵博覧会 (角川文庫 た 17-51 高橋克彦迷宮コレクション)
浮世絵博覧会 (角川文庫 た 17-51 高橋克彦迷宮コレクション) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
前半は写楽の正体をめぐる推理。これを読む限り、文献的に根拠もある、齋藤十郎兵衛説以外には考えられないように思えるのだが。発表から年数が経つので、その後の研究はどういう方向に向かったのだろう。北斎隠密説はどうかな、と思うけど、トップクラスの人気がある北斎が貧乏生活だったというのは、確かに信じられない。それなら他の絵師はどうなるの、という論のとおりだろう。
2017/10/28
紫
浮世絵謎解き論集であります。浮世絵以外にゴッホの話題も採り上げていますけれど。東洲斎写楽の正体はいまや定説の斎藤十郎兵衛説。極めて明快な結論ですが、それでも正体探しの謎解き本がいまも絶えないのは、地道な検証よりも、面白おかしく楽しめる真相に読者のニーズが集まるということなのでしょうか。特に注目なのは作家デビュー後の「推理北斎は隠密か」と、作家デビュー前の「明治のエロス折帖・十二図初桜」。同じく浮世絵の謎を読み説くものですが、作家の視点と研究者の視点の違いを見るようで興味深い。星4つ。
2014/04/01
まーたろ
【再読】「写楽を探せ(対談者:井沢元彦・杉浦日名子)」が特に面白かった。この文庫が出版されてからもう10年。対談が最初に活字になってからだと20年近く経っているので、現在の研究がどうなっているのかにも興味があるなぁ。
2011/08/11
シラヌイ
写楽っていったい誰なのか…って説だけでも何十もあるんだね。北斎説とか蔦屋説とかいろいろ気になる。あとは北斎隠密説とか。たった200ねんまえの江戸のことすらよくわらからないこのもどかしさ。でもだからこそ、あの時代にあんなすごい浮世絵っていうものがボコボコと醸成されていったその謎が謎のままで、それが楽しい。
2010/10/24
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