藏 上 (角川文庫 み 12-3)
藏 上 (角川文庫 み 12-3) / 感想・レビュー
紅香@本購入まであと9冊
田乃内家の嫡男に美しい嫁をと掻き口説いた姑。嫁、賀穂。子宝に恵まれず、唯一すくすくと育った娘の烈は障害があった。。雪深い北国が舞台。良かれと思ったそれぞれの決断が、的を外れ、不安となってどんどん降り積もってゆく。奥ゆかしい家制度がまだ健在だった時代。閉塞された世界の中で、女性達はそれぞれの悲しみを抑え、しんしんと歩いていく。激しく生きよと名を授けられた烈。その名の通り、熾烈な運命が襲う。本来の賢さで狭い世間の中、どう折り合いをつけて生きていくのか。1人の少女の欠けてもなお光る聡明さを見届けたい。下巻へ。
2022/09/21
のびすけ
これは面白いわ。新潟の蔵元・田乃内家の一人娘烈は、目の病でやがて失明する運命を背負う。自身の将来や家のことを考え始めた烈の心の成長に胸を打たれる。父の後妻せきと跡取り息子として産まれた弟丈一郎。烈を幼い時から世話してきた叔母の佐穂。田乃内家の中の微妙な人間関係とそれぞれが抱える複雑な胸の内。烈が少女から大人へと成長する下巻へ、どうなる田乃内家?!
2023/04/24
T2y@
出身地、新潟・新発田辺りが舞台の小説。 頁いっぺことあったろも、盆の帰省までに、なんとか上巻読み終わったて。 全編新潟弁だすけ、バイリンガルモード切り替えて、通勤中なまら読んださ。 …方言を読みにくいと感じると、没入感が違うかも知れないですね。
2015/08/12
けいこ
母の賀穂さんが亡くなった時に我が儘だった烈が、年月を経て、思慮深くなっていた事が印象的でした。
2015/05/06
y_e_d
宮尾作品にはハズレがない。こんなに面白い本が世の中にあるのかと思い、途中で切ることができない。大地主の家に生まれた一人娘・烈。逃れられぬ失明の運命、回復を祈り苦行の札所廻りで命を縮める母・賀穂。烈は母の妹・佐穂に守られながら育つが、父・意造が五十を過ぎてからよりによって十代の芸妓・せきを後妻を迎えてから家内は不穏な雲行きに。せきは後継となる男児を産み、烈の居場所が無くなっていく不安、眼の不安、拭えない将来への暗い不安は計り知れない。そしてその後の展開は? 下巻へ続く。
2017/07/09
感想・レビューをもっと見る