太平記(六) (角川文庫)
太平記(六) (角川文庫) / 感想・レビュー
ちゃま坊
太平記は鎌倉幕府から室町幕府への移行期の権力闘争劇だ。学ぶべきことは「長期政権は必ず腐敗する」ということ。その後の豊臣政権も徳川幕府も明治政府も同じことを繰り返してきた。権力に群がる人たちが不正を働き派閥ができて、かつての仲間同士が争う。この構図は今も変わっていないな。吉川版と森村版を併読してみたが、それぞれに創作のオリジナル登場人物がいた。
2020/06/25
うたまる
「朝敵を滅ぼし、天下の泰平を取り戻さずして世を去るのがただ一つの心残りである」(後醍醐天皇)……後醍醐崩御から観応の擾乱、尊氏の死まで。ぷはー、全6巻読み終わった。しかし、この太平記で描かれる事象がその後の日本史に与えた影響は計り知れない。下克上の素地を作ったこと、戦闘が個人戦から集団戦に変わったこと、そして朝廷には二度と政治は任せられないと見切ったこと。その元凶こそ後醍醐天皇。彼ほどの愚物は本朝でも稀で、彼のせいで明治まで天皇が軽んじられることとなる。最後に、この表紙デザインのシリーズは大好きだ。
2014/05/28
アンゴ
1348(正平三)年-1358(正平十三)年 楠木正行、河内四条畷にて高師直に討たれるところから尊氏没まで。 後醍醐帝亡き後、神皇正統記の著者北畠親房が息子の遺志を継いで南朝を統率するが、謀略家であっても所詮公卿で戦術家ではなかった。5巻からそうだが、問題に対する公家の姿勢と愚かしさは、現代の日本の政治家に通じるものを感じる。内向きに言葉遊びをし合理的に問題の根本を見ようとしない。足利尊氏と直義兄弟、高師直達との確執の心理や力学変化の描写は見事でなるほどと納得。不明瞭だった足利幕府成立の理解が得られる
2014/03/30
suzuki-takefumi
ついに最終巻だが、なんともまあ泥沼。南朝はまるで綸旨発行機になったかのようだ。太平記の粗筋は知っていたつもりだったが、北朝の内紛がここまでとは……出発点がこれでは、それは下克上も来るわけだ。
2009/08/21
茅渟釣迷人
古本購入-売却
2011/02/21
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