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時のアラベスク (角川文庫 は 10-1)

時のアラベスク (角川文庫 は 10-1)

時のアラベスク (角川文庫 は 10-1)

作家
服部まゆみ
出版社
KADOKAWA
発売日
1990-11-01
ISBN
9784041785010
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時のアラベスク (角川文庫 は 10-1) / 感想・レビュー

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セウテス

横溝正史ミステリ大賞を受賞した、作者デビュー作品。よって作者との本格の、謎解き対決を楽しみに読み出したのですが、謎解きのある幻想小説という感じが強い。作者の女性的幻想世界が好きな読者からみれば、むしろミステリである事に驚くのかも知れない。正体の見えない脅迫者、やがて起こる殺人事件、主要人物の自殺、とミステリの展開は期待したものです。その代わり、全く機能しない警察や霧に包まれた様な世界から、外へ出て来ようとしない人達に感じる違和感。両者が渾然一体になっている不思議な感覚を覚えるが、読みやすいし読後感も良い。

2017/02/06

たか

服部まゆみのデビュー作。 ロンドン、ブリュージュ、パリ、東京へと舞台を変えながら、次々に奇妙な事件が起こる。 耽美で洗練された世界、内省的な語り手、陰鬱な雰囲気、ドロドロとした人間関係、美への傾倒、そして禁断の愛など、ロマンティシズムが至るところに漂う。 どんよりとした重たい雰囲気とその美しい世界に、実際に入り込んだかのような錯覚に陥るのが、服部まゆみの魅力だ。C評価

2020/03/02

はらぺこ

自分からすると主人公と家族の会話は古風というかお上品なので『いつの時代の話やろ?』って感じでした。内容に関しては最後の手紙で『そんなんズルイわぁ』って思いました。

2013/07/11

藤月はな(灯れ松明の火)

『死都ブリュージュ』の感想を挙げた際、他の読書人さん達の感想でこの作品が引き合いに出されているのを拝見して読みました。まさかの処女作に吃驚。『この闇と光』のように耽美且つ俗物的で沈み込むような仄暗さに彩られたミステリー。愛する従姉、千秋とその弟の昇、傍若無人だが唯一の男友達として愛している慶、俗物な周囲の印象が変わる構成や「極月」から始まる月ごとの時間の流れも見事に哀切さと知らなかった自分の愚かさと残酷な時の流れを醸し出している。そしてある人物からの夢想の成就を残酷に告げる手紙が個人的に印象深かったです。

2013/11/13

レモン

著者らしい美しく幻想的な世界観で東京、ロンドン、ブリュージュ…と舞台を変え、不穏な雰囲気の中事件が起きてしまう。真相は結構複雑だったが、ミステリとして楽しむというよりこの世界観を楽しむ作品という感じ。ロンドン塔の描写などよく表現されており、脳裏に記憶が鮮やかに蘇った。慶も命を狙われているが性格に難があるのであまり同情できないし、どちらかというと主人公・亮が可哀想。

2023/08/19

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