70パーセントの青空 (角川文庫 あ 20-1)
70パーセントの青空 (角川文庫 あ 20-1) / 感想・レビュー
リッツ
ン十年前に買って未読のまま本棚に眠っていた。何故?なぜ読まなかったのか?なぜ買ったのか?と思いつつ初めて読み出した。懐かしいというのとは少し違う『知ってる』雰囲気。情景もそうだが親しんでゆく男女の気持ちと距離、友人や仕事仲間との関係が温もりのなかに寂しさを孕み鮮やかに伝わってきた。飄々としているようで確実に進む強さを青春の残酷さと呼ぶのだろうか。
2023/02/09
りゅっく
春樹さんの挿絵のイラストレーター、エッセイでも登場するのでなんだか身近に感じてた水丸さんの小説と聞いて飛びつきました。イラストレーターが本職(ですよね)とは思えない文章、私小説なのかな?ますます水丸さんが好きになりました。今は亡き水丸さん、寂しい。。
けいちか
村上春樹さんとの共著が有名な安西さんの青春小説。自分の体験を基にしていると思われる。60年代、70年代の若者の青春という点ではイラストレーターの和田さんのエッセイと同じにおいを感じた。
2008/07/31
コジモ
イラストレーターとしても有名な安西水丸さんの半自伝的小説。乾いている感じだけど、少しせつないような20代のお話。東京のまちの湿度や色合いなどが伝わってくる。水丸さん、絵も素敵だけど文章も本当に素敵です。
2012/05/22
h k
64年に美大を卒業して広告制作スタジオに入社した青年の数年間。筆者の経歴に重なるところが多く、当時のどんどん変化していく文化や東京の風景が実感をもって描かれている。もともと筆者のイラストレーションがとても好きで、重ねてこのタイトルに惹かれて小説も読んでみた。 以前は(村上春樹との仕事の印象が強く)カラッとしたアメリカ的に乾いた印象があったが、この小説や他の仕事を見ていくと、その根幹には(この小説ではヤエ子さんと過ごす場面に象徴される)東京の下町を流れる淀んだ川のような、日本的な情があると思った。
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