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新興宗教オモイデ教 (角川文庫 お 18-2)

新興宗教オモイデ教 (角川文庫 お 18-2)

新興宗教オモイデ教 (角川文庫 お 18-2)

作家
大槻ケンヂ
出版社
KADOKAWA
発売日
1993-04-09
ISBN
9784041847022
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新興宗教オモイデ教 (角川文庫 お 18-2) / 感想・レビュー

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HANA

高校を中退した同級生のなつみさんに誘われ新興宗教オモイデ教を訪れた「僕」。ただそこは人間を発狂させるメグマ祈呪術を操る人間が争う場所でもあった。92年発刊という事でオウム以前、新興宗教が猛威を振るった時期とオーケン独特の如何ともしがたい青春の袋小路みたいな物が組み合わさり、独特の読み心地となっている。あと発狂させる電波やサイキックバトルという題材にも関わらず、どことなく乾いた明るい世界観は名作『ステーシー』に通じる著者の独壇場といったところ。面白うてやがて哀しき著者にしか書けない物語、堪能できました。

2020/07/06

『よ♪』

歪、いびつ、歪み、ゆがみ、社会との歪み──。ひずみ。1992年の作品。再読。某新興宗教が脳裏に。どろりと噴き出す黒い膿──負、嫉妬、劣等、優越、選民、洗脳か。アタシツマンナイアタシツマンナイアタシツマンナイ…。アタシツマンナイ。ホン、ラガトエー…。念じて人を狂わせる呪術。表紙のイメージ通りか。昭和の胡散臭い香り。不合理の気持ち悪さと不条理の心地良さ。とても軽妙な語りの奇怪なSF作品。漆黒の夜空にビル火災。燃え盛る炎に焼かれ墜ち行く信者の煌めき──。それは美か。ゾンはゾンビのゾン、負の象徴。虚無。あぁ楽し。

2021/04/18

アナーキー靴下

初読当時、筋肉少女帯ファンだったこともあるが、何より丸尾末広(←グロ注意)のカバー絵に惹かれ手に取った。そのチョイスに「この人あたしをわかってる」と震えた、ちょっとイタイ青春の象徴。解説は永井豪と豪華。当時はラストまで読んでからの永井先生の絵に思ってたのと違う! となったが、軟弱さとハードボイルドさを兼ね備えた主人公、アイデンティティ的にも性的にも踏みにじられるヒロイン、不条理さと結末のやるせなさ等、デビルマンに似ているかもしれない。悪魔と変身とヒーローを、宗教と電波系呪術とこじらせた思春期に置き換えて。

2021/01/30

はらぺこ

胡散臭い新興宗教を皮肉る話を想像してたけど違った。普通にサイキックバトルしとった。人を操れるメグマを使えるくせに何かショボイ。

2016/07/16

TSUBASA

つまらない学校生活にうんざりした隣の席のなつみさんは学校を退学。次に見かけたのは駅で新興宗教の信者として合唱している姿だった。僕は恋心を抱いていたなつみさんに誘われ、オモイデ教に入ることに。その教義は悪しき人間を誘流メグマ祈呪術で狂わせて排除するというもの。なつみさんはオモイデの敵となる人物を狂わせていくのだった。処女小説ということだけど中身はやっぱりロック。宗教とか精神波とか登場するけど、つまらないものをぶち壊したい青少年というのがいつものオーケン。解説が意外なことにオーケン好きという永井豪だった。

2019/07/27

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