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F: 落第生 (角川文庫 さ 24-4)

F: 落第生 (角川文庫 さ 24-4)

F: 落第生 (角川文庫 さ 24-4)

作家
鷺沢萠
出版社
KADOKAWA
発売日
1998-02-01
ISBN
9784041853047
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F: 落第生 (角川文庫 さ 24-4) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

涙ってね、「流れる」もんじゃなくって、「噴き出す」もんなんだよ……(「家並みのむこうにある空」より)この一節が、鷺沢さんの作品の本質をよく表していると思う。生きていく上でどうしようもないことに直面したら、涙は流れると言うより、血のように体の中から噴き出してくる。その悲しみをこの作家は凝視して小説を書く。そこがたまらなく好きだ。「重たいコートを脱いで」では、漫画の編集者の話だ。仕事が忙しすぎて恋人と別れてしまう。やり切れなさを読者も感じる。それでも生きていかなければならない。(続きます)

2018/05/03

(C17H26O4)

大好きな一冊になりました。人生波瀾万丈で後悔だらけの女性たちの物語なのだが、読み味は重くない。それは全編を通して鷺沢萠さんの主人公たちを見守るような、温かな視線を感じるからだと思う。どうにもならない状況の中、どの主人公の心にも変化が起こり、そこからは希望を感じることができる。私たち誰だって、程度に差はあれど何かが思うようにいかずに歯噛みしたことはあるはずだ。主人公の新しい決断の予感から、さり気なくエールをもらったような気持ちになった。どうして鷺沢萠さんは命を絶ってしまったのだろう。→

2018/05/10

わっぱっぱ

慢性的な幸福に浸るよりも、時には派手につまずく方が人生は豊かになると、今だからわかる。迷ったり滅入ったりの多い日々にもがく彼女たち、ちっとも「F」なんかじゃない。

2018/07/07

メタボン

☆☆☆☆☆「重たい色のコートを脱いで」が心に刺さった。大学を出て一流出版社に就職したが、女性編集長の嫉妬、同僚にいじめにより、ハゲまで作って辞めることになる聡美。その後漫画の編集者となり、なかなか出来上がらない原稿の督促に縛られ、彼氏ともすれ違い、彼との映画の約束をすっぽかすことで遂に破局を迎える。彼のために買った春物のコートを着て仕事に励む聡美が、せつなくも清々しい。鷺沢らしい傑作。他に麻雀を題材とした「最後の一枚」、男運の悪い女が普通の男にたどりついた「家並みのむこうにある空」が良かった。

2022/11/01

ふみ

著者初読み。こんな短編の名手とは知らなんだ。甘くない辛くない、でもちょい苦い。既に故人なのがつくづく惜しい。

2018/04/06

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