愛を乞うひと (角川文庫)
愛を乞うひと (角川文庫) / 感想・レビュー
おかむー
映画も未見で裏表紙のあらすじもちらっと眺めただけだったので「母を訪ねて三千里」かと思ったら「父(の遺骨)を訪ねて三千里」でしたよ。そしてどっしりと重かった。『よくできました』。'92年初出なうえ今と比べれば児童福祉がはるかに拙い時代背景で描かれているので、母による虐待の描写が容赦なく逃げ道も見いだせないさまが悲痛。それでも父を慕い、娘と無き夫を愛する人になれた主人公・照恵が父の遺骨探しによって自分自身と父母の姿を見つけてゆく物語に引き込まれますね。しかしラストシーンが意味するものはどう取ればよいのか…
2015/04/23
choco
この間ドラマでやっていたが虐待シーンが辛過ぎて見れず。たまたま見つけた本屋で購入した。辛過ぎて読んでいて胸が痛くなる。しかし、最近の児童虐待とは何かが違うような違和感を抱きながら。年代のせいか、母のこの潔癖が何を意味するのか最後まで謎だった。主人公の病院先の勘違いも。回り道をしたけれど、いまが幸せ。と言うラスト。台湾の風土も味わう事が出来て、爸爸の骨も見つかり、ちょっと救われたかな。それにしても残酷すぎる。気になる作家さんでした。
2017/01/19
心
図書館本~!。。お母さん、なぜ私をひきとったの?。。母は、孤児院に10歳になった照恵をヒキトリに来た。だがそこに待っていたのは…実母からの残酷な暴力と罵詈雑言を浴びせられる信じられないような悲痛な日々。あのまま施設に居た方が、私は幸せだった。死ねばせっかんから逃げられる。死ねば幸せになれる…。目を背けたくなったり、胸が苦しくなり、読む手が思わず止まる悲惨な日々。先日、ドラマを見て手に取った。映像には映像の良さ、活字には活字の良さがある。深く深く考えさせられる1冊。いつかゆっくり再読したい。
2017/04/14
さゆ
再読。最初に読んだ時はすさまじい虐待の描かれ方に心底驚いたものだけれど、昨今は幸か不幸か、虐待というものが社会的認知を受けてしまった感がある。そんなに虐待されてまでも、なお、母の愛を乞うものなのか、子どもって。亡き父親だけを拠り所にすればもっと楽な人生だったのではないかと思ってしまう。この母親は、普通の人ではない。完璧に病気だと思う。もう一つは、この本によって台湾という国の国民性をより現実的に感じた。
2012/08/28
のんすけ
児童虐待の映画の原作としてあまりにも有名な本。高校生の娘をもつ母親になった主人公照恵が父親の遺骨を探し始めたところから始まり、自分が幼い頃に受けた壮絶な虐待の描写、自分の戸籍から父親の祖国の台湾に飛び、親子の絆や新しい絆を探していく。母親から愛されなかった照恵が愛情をもって娘と交わっていることに安堵しつつ、最後血は繋がらなくても確かな絆を得たことで読後ようやく安心できた。いい本でした。
2015/02/15
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