愛読者 (角川ホラー文庫 49-3)
愛読者 (角川ホラー文庫 49-3) / 感想・レビュー
🐾Yoko Omoto🐾
ミステリ作家「仁科美里」のもとに届いた二通のファンレター。差出人は中学の先輩「柚子」と「愛読者」を名乗る不気味な人物。美里が書いたエッセイの内容を勝手に拡大解釈しマネージャーを買って出る迷惑な柚子と、美里の官能小説作家との兼業を知り猥雑な内容の手紙を送り付ける謎の人物。柚子の一連の行動の理由は何なのか、謎の人物は一体誰なのか、常識を逸脱した狂気の思い込みに翻弄される展開が恐ろしい。スピリチュアルなラストは賛否あるようだが、このラストだからこそ単なるサイコホラーで終わっておらず個人的には非常に巧いと思った。
2014/08/17
tom
やばい人が多くてまさかこの人も…と最後まで疑心暗鬼にさせられた。シーンとしては少ないけど自意識過剰の被害妄想が特にキツかったなぁ、なんかリアルで。最後の最後はちょっと唐突に感じたけど、先が気になってぐいぐい読めた。
2018/10/02
mr.lupin
新津きよみさんの著書五冊目読了。駆け出しのミステリー作家の仁科美里の元に、読者から2通のファンレターが届けられた。1通は中学の時の先輩の柚子から。もう1通は、「愛読者」と名乗る謎の男からの不気味な手紙。この2通の手紙をきっかけに、美里の生活は大きく変わってゆく。新津さんの作品らしいゾワゾワ感が伝わって楽しめた。ただ最後のエピローグは無くても良かったかな。 ⭐⭐⭐★★
2024/08/17
Yu。
二つの顔を持つ作家の元へ送られた二通のファンレター。一通は旧友から…もう一通は不気味な何者かから…。これらの手紙がきっかけに主人公の生活が狂わされていくサイコサスペンスホラー。それなりに纏わり付く怖さ堪能できますが、“歪んだ愛情”が背後にある内容なだけに、『ミザリー』のアニーを彷彿とさせるさぞかし濃い偏執さを期待してしまいますが肝心のスパイスである“毒”が薄いかな。ですが、悲しき過去描かれたエピローグで随分捉え方変わります。切なさの方も強く印象に残る作品で、意外に主役もやりおるわいです。
2014/03/26
nico.pp1
ミステリー作家のもとへ届いた不気味な手紙をきっかけに始まる恐怖。体の中がゾワゾワするような恐怖感。柚子の狂気は、かなり怖いです。作家への異常なまでの執着、彼女の執念深さはまさに脅威そのもの。残念なのは、ラストがもうひとつだったこと…
2014/08/15
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