訪問者 (角川ホラー文庫 49-6)
訪問者 (角川ホラー文庫 49-6) / 感想・レビュー
カムイ
女性の心理を書かせたら右に出るものなしの新津さん、左には沢山いるかも(笑)角川文庫ホラーなのですが純粋にサスペンスものである、ホラーの定義ごっちゃにしてるのは如何なものである、新津さんの作品はほぼサスペンスものを読んでいますが安心して読める、主婦の周子に訪れた危機、日常では退屈な毎日に刺激的な(アヴァンチュールな刺激)エロシーンはないのに艶っぽさがある、ストーリーも巧みで飽きさせずスイスイと読めた、最後も確りとオチもあり、ホロリとしてしまう、環境により犯さなくてもよい犯罪があるがちょっと哀しくもある。
2020/10/10
ジンベエ親分
「震える家」の改題本らしい。角川ホラーじゃ漢字三文字縛りをやってたからか。旦那が出張中で乳児と2人きりの家にコンビニ強盗殺人犯が押し入ってくる、という話。その緊迫したサスペンスに旦那の浮気疑惑、女友達の元カレの刑事、別の連続強姦殺人事件、等々が絡んでくる。何より主人公の周子と押し入ってきたコンビニ強盗殺人犯のケイの微妙な心の交流が巧みに描かれる。刑事や周子の旦那、ケイ、と男の登場人物も多いのだが、何となく「男は蚊帳の外」という雰囲気が(笑) エロシーンは一切ないのに妙にエロい全体のトーンがわりと好き(笑)
2018/01/06
星落秋風五丈原
1993年12月刊の角川文庫「震える家」を改題したもの。夫直人の出張で息子牧人と二人きりの周子の家に強盗殺人犯の男が立てこもった。外部と連絡を試みる周子。それらの行為に苛立ちをつのらせていく「訪問者」。さらに夫の浮気をほのめかす突然の電話が周子の神経を揺さぶる。彼は周子にキスをして去っていく。周子は彼を密かにケイと名付ける。数カ月後、無言電話に悩まされた周子は友人久美の近所に引っ越す。直人は浮気を告白する。家という密室で追い詰められていく女の中に芽生えた意外な感情とは?サイコサスペンス。
2002/04/10
nico.pp1
家に侵入してきた強盗殺人犯の男に好意を持つ主婦の話。女性心理を描く名手、本当にそうだなと思いました。
2014/08/22
じーつー
なんか絶妙に感情移入できない主人公。 家に突然の訪問者があり、コンビニ強盗の勢いで人を殺した男が家に押し入る状況で、久美はどのように助けられるのか。 と、少しハラハラしていたら前半でそのシーンが終了してびっくり。 その男の行方とかコンビニ強盗の同時刻に起きていた暴行事件の真相とか、それはどうなっているんだろうと読むのが後半。 後半にはスリリングさが消えてわくわくドキドキを失いかけていたのに、最後が急に怖かった。 久美に魔の手が近づいているのは明らかなのに。 ラストは少し切ない。 けど多分これでよかった。
2024/03/25
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