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吊された男 (角川ホラー文庫 32-8 異形アンソロジー タロット・ボックス 3)

吊された男 (角川ホラー文庫 32-8 異形アンソロジー タロット・ボックス 3)

吊された男 (角川ホラー文庫 32-8 異形アンソロジー タロット・ボックス 3)

作家
井上雅彦
伊藤潤二
出版社
KADOKAWA
発売日
2001-06-01
ISBN
9784041939086
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吊された男 (角川ホラー文庫 32-8 異形アンソロジー タロット・ボックス 3) / 感想・レビュー

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ニミッツクラス

【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉 01年(平成13年)の税抜819円の文庫初版。角川ホラー文庫の異形アンソロジーの“タロット・ボックス”シリーズ(井上雅彦編、全3巻)の3巻目。再録作品13編収録で翻訳物は3編。本書のテーマは“首吊り”で、「首吊り気球」は救いの無い漫画。巻頭ビアスの鉄板「アウル・クリーク鉄橋…」は解説で“アウ・クリ落ち”と称し、自分も腑に落ちた…夢落ちやパノラマ視落ちとも違う構成だから、ディックのアシッドSFや歪んだ異能SFの中に類似ネタを捜した事があるもの。★★★★☆☆

2024/08/14

空猫

伊藤潤二サンの作品を図書館で検索したら唯一ヒットしたのがこれ。題名通り[首をくくられた]男(女)達の物語。岡本綺堂,内田百間サンという正統派⁉からエロにグロさらにスカトロな式貴士サン,悪魔の辞典のビアス,寺山修司サンまで。編者の守備範囲の広さよ‼テーマがテーマだけにあまり趣味のよろしくない(誉め言葉)作品がほとんどだが力作揃いだと思う。堂々とお薦めできないんだけども(/-\*)

2017/03/03

たぬ

☆3.5 内田百閒・岡本綺堂・かんべむさし・寺山修司・戸川昌子・A・ビアスら国内外の「首吊り」を13編。唯一の漫画で何度も読み返している伊藤潤二「首吊り気球」以外はそこまでのインパクトはなかったな。強いて言うなら最後のR・サーリング「魔法の砂」のオチはスカッとした。それまでの流れ的に胸糞エンドを予想していたから余計にね。式貴士「首吊り三味線」では猫のところで気分が悪くなったけど縊死と窒息死の違いを知れたのはまあまあ収穫。

2024/06/30

7a

仙台の上空に謎の浮遊物体が現れたというニュースを見て私が先ず思い浮かべたのが首吊り気球だった。それでこれを予約したのだけれど、読む頃になって別のことで首吊りがメディアを騒がせている。「首吊り三味線」では縊死と絞殺は違う、絞殺は窒息だから苦しいが、縊死は脳の急性貧血だから柔道の絞め技で落ちるようなもの、とあった。だから苦しくなかったのならいいな、と思う。テーマがテーマだけに全体的に重く(ろくろ首の絞首刑をテーマにしたコメディもあるが)最後に「魔法の砂」を持ってきたのは編集者の良心かな。

2020/07/20

ひょろ

首吊りに関する話を集めた実に悪趣味(褒め言葉)なアンソロジー。「首吊り三味線」圧倒的なまでの首吊り談義、三味線談義。その陰に隠れてひたひたと侵食してくるおぞましさ。「蜘蛛」妖女クラリモンド。彼女と医学生とのかかわりが実に面白い。一言も声をかわすことなく、じわりじわりと寄ってくる抗いがたい力。まさに妖女である。「首吊り病」表現者寺山修二であるからこその着想。彼の纏う一抹の寂しさのようなものがこの短文の中にも息づいている。「首吊り三代記」掌編ではあるがしっかり横溝正史。主人公の妄執がすさまじい。

2015/09/28

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