夢魔の幻獣辞典 (角川ホラー文庫 32-9)
夢魔の幻獣辞典 (角川ホラー文庫 32-9) / 感想・レビュー
Yu。
鱗族 飛翼 録魔 綺獣といった神話や伝説に描かれた様々な幻獣を、著者の“超”が付く程の想像力で現代風に書き換えられた十二篇の怪奇幻想譚。。よくもまあ ここまでアレンジ出来るものだ‥ スゴい の一言に尽きますm(_ _)m。。どれもが良かったですが、孤島に赴任した教師を襲う「カトブレパス」。動物園のスタッフが体験した悲しくも温かな「ユニコーン」の二篇は特に好き。
2023/10/19
Yuri
幻獣をモチーフにした短編集。それぞれに解説的な文章が付随していて『辞典』っぽい仕上がり。 『ヒトニグサ』面白かったなー。で、ヒトニグサの参照文献的な感じで『室井恭蘭・妖魅本草録』が挙げられていて、そこがツボ!やられたわー。
2017/11/18
ハルバル
ボルヘス「幻獣辞典」を範にし、著者の思い入れる12の幻獣を元に語られる幻獣譚。試し読みフェアで何気なく読んだが、かなりの掘り出し物でした。どの短編も既成の幻獣からそれぞれ個性的な物語を作り上げており、ありきたりの幻想は一つもない。理に落ちすぎない作りに怒濤の終盤へとなだれ込む構成力といい、異界の幻視力を支える文章といい、文句のつけようがないです。添えられた幻獣の挿し絵もいかにも怪しげで雰囲気を盛り上げる。どれも良すぎて選べないが、オアンネス、グレムリン、龍が好き。諸星大二郎の「ヒトニグサ」の遊び心も○。
2018/12/01
眠る山猫屋
中井英夫の系譜に連なるような、美麗で耽美な言葉の流れ。故に合わない方には合わないと思うが。正直なところ、自分でも苦戦はした感があるのだが、それでも流麗な表現に溺れ流される感覚は嫌いじゃない。美しくも残酷な夢をみてしまった後のよう。
2013/03/17
FeLis-IA
再読。魅惑的な幻獣達が誘う12の物語。井上さんの言葉には素敵な魔力が宿っているよう。それは各章のタイトル「鱗族-いろくず-」「飛翼」「緑魔」「綺獣」にも、或いは副題にまで。ユニコーン・ケルピー・龍はもともとお気に入りでしたが、他の幻獣達もめくるめく素敵な闇を見せてくれます。夜、寝る前に読みたくなるので枕元の本棚が定位置。
2011/06/03
感想・レビューをもっと見る