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パイナップルの彼方 (角川文庫)

パイナップルの彼方 (角川文庫)

パイナップルの彼方 (角川文庫)

作家
山本文緒
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
1995-12-18
ISBN
9784041970010
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パイナップルの彼方 (角川文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

幸せの象徴のように語られる場所であってもそこに何を求めるか次第で見えるものは違ってくるように思います。電話の表現などに時代を感じつつも、人の感情の中に見え隠れする憧憬、嫉妬、そして、愛憎が現代社会と何ら変わりがないことに驚くこの作品。「パイナップルの彼方」に見えるその景色を思い、『逃げることができれば、どんなに楽だろう。親も会社も恋人も捨て、アッカンベーをひとつ残し、どこかへ行ってしまえたら、どんなにいいだろう』、と思う深文が選んだその結末に、いつの世も変わることのない人の生き様を見た、そんな作品でした。

2021/06/09

ショースケ

読友さんからの紹介の一冊でワクワクしながら読んだ。まだ携帯電話も普及してない頃、深文は父のツテで信用金庫になんとなく勤めながら一人暮らしをしている。短大時代の友達の月子、なつ美、三人三様それぞれいろんな思惑がある。若さゆえの今の私でいいのか、もっと羽ばたくものがあるのではと無意識に思い描く深文の気持ちがよくわかる。恋人がありながら、会社の調子のいい岡崎に心許してしまうところも。会社でのいざこざや、先輩の豹変ぶりには驚いたが、人間いつたがが外れてしまうことの恐ろしさ…しかし、彼女たちの強い再生に拍手したい。

2022/05/26

chiru

人間失格 【女性編】のような物語。山本史緒さんの本を初めて読んだとき、わたしは受験生だった。その後、ディープな恋愛ものに惹かれ『恋愛中毒』に手をだし、フィクションでは済まないトラウマ級の恐怖を味わった。嫉妬を煮詰めたドロドロのスープを飲まされた感覚。なのになぜ山本史緒さんを追いかけたくなるんだろう。誰もが悩み傷つくナイーブな人間関係。それは未来も含めてミルフィーユのように重なりあい、ぶつかりあう。そして自分の人生を誰かの人生と重ねてみたくなる。読み進めらとなぜか爽やかな気分に。主人公たちの成長が嬉しい✨

2022/05/30

佐々陽太朗(K.Tsubota)

初・山本文緒である。北上次郎氏をして解説の中で「いやあ、読むなりぶっとんだ。ここには本物の才能がある!」とまで言わしめた小説となれば読まないわけにはいかない。私は北上氏を信用しているのだ。なるほど、頁をめくるごとに驚きがあります。ここに書かれているのはごく普通のOLの、ごく普通の日常であり、その日常の中での心象風景だ。しかしそのごく普通のOLの考えていることに驚きがある。いやいや、女性はコワイ。お人好しを絵に描いたような男の私などは、女性がほんとうに考えていることなど知らない方が幸せというものだ。

2014/07/02

やも

女の人生、七転び八起き🥲✨はぁ〜〜途中はどうなることかと思ったけど、こう終わるんだ。終わるというか、まだまだ続くと言うか、むしろこれからと言うか☝️いいじゃん、ダメな所知っても、なんでも話せる女友だちや恋人が側にいてくれるって、いいじゃん。きっとこれからもAI気取りでニッコリしたり、スルーしたりって付いて回ることだろうけど、いいよね。そんなもんだもん、仕事も友情も恋も家庭も😂自分発信で波風立てたくないもん。楽しいだけじゃない女の人生、抉られるように大いに共感する場面もありました。面白かった!!★4

2022/05/19

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