信仰の現場: すっとこどっこいにヨロシク (角川文庫 な 30-3)
信仰の現場: すっとこどっこいにヨロシク (角川文庫 な 30-3) / 感想・レビュー
shikashika555
ナンシー関にしては珍しく「現場」へ足を運んでの観察と考察の数々。何の現場かというと人々が熱狂する場である。 ちょっと意地悪だな、と思う。だって熱狂している人は隙だらけだもん。ツッコミ所満載でマヌケな事はお互い様なので 素直にひとの事を腐せない笑えない。 しかし読み始めるとさすがのナンシー(笑) 目の付け所とオチに持ってくる運びがものすごく計算されているのだ。 時代の総意や散らばる庶民感情を疎にして漏らさずに言葉として紡ぎ出し、誰もが納得する場所に落とし込む。 シャーマンのような存在であるなあ。さすがだ。
2021/12/08
あじ
世間にはどんな"信仰"が渦巻くのかを、ナンシー関さんが勝手に期待し予測をたてて現場に取材に行くというエッセイです。なかでも"ゾロ目マニアを探せ"は笑いのツボに嵌まり、ページを戻っては爆笑の渦中にダイブを繰り返えしました。この一冊で三ヶ月分笑い倒しました。普段の私は能面です、ツンデレです(過言じゃない笑)。つっこみようのない完成されたエッセイに心酔。ナンシー関さんへの"信仰心"が、不動となる予感が頭を過りました。
2013/08/21
スノーマン
ナンシーさん、よくぞここまで行動してくれた。現場には現場にしかわからない何かがある。それを見事に言語化してくれている。10年ひと昔、今とは雰囲気も違うだろう福袋現場や宝くじ当選発表、マニアがいるか思ったのにスカに終わったゾロ目現場で切符を5枚も購入したナンシーさんにお腹が痛くなりました。笑っていいともが終了していることも、私が子供時代にお世話になったにこにこぷんがまだいるNHKもすごい。とにかく怪しい斎藤忠光コンサートは矢沢栄吉よりも気になった(笑)
2016/10/11
わんこのしっぽ
三崎亜紀さんのエッセイを読んで手に取り、ナンシーさん初読。宗教取材ではなく1つの事にのめり込んで熱狂する人たちの現場リポート。私にとって何か1つにのめり込む人は昔からの憧れです。他者と関わらないと生きづらい中で、他者の視線を忘れ、我を忘れ信仰の如くのめり込めるなんて…真似が出来ないから羨望の眼差しを向けてしまう。ナンシーさんも内心はそんな人達への憧れが少なからずあるような。文章に、もしかしたら自分もその気持ちを味わえるかも!そんな気持ちが滲み出てる気が…。とは言え理屈抜きで面白かった♪
2013/08/22
すぎえ
矢沢永吉のライブ、笑っていいとものスタジオ、宝くじの抽選会場などいわゆるコアなファンが集う集会場に同席してくるルポ。そこに別天地が広がっている。意味は特にないけど痛く興味をそそられる体験ルポとかだ。昔、昔はるか昔、電気パルスで腹筋を鍛えるアブロッカーを高校生にして買った私だ。本書の気持ちはとてもわかる。なんていうか気になるものを確かめたいっていう気持ちを押し出した本書はおもわず笑ってしまった。
2010/03/25
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