誘拐 (角川文庫 ん 17-3 ミステリーアンソロジー)
誘拐 (角川文庫 ん 17-3 ミステリーアンソロジー) / 感想・レビュー
aquamarine
とても豪華な執筆陣です。もちろん既読もいくつか。短編では難しいテーマだと思うのですが、皆さんこの短い中にご自身の特徴を出されていて、流石です。有栖川さんの「二十世紀的誘拐」は伏線からトリックからいつも通り無駄なく美しいです。好みは香納さんの「知らすべからず」と法月さんの「トランスミッション」、さらっと読めてしまうのにすごくよくできてると感じました。吉村さんの「誰の眉?」は読んでいてすぐにオマージュ元を思い浮かべられ、公園名など出てくるたびにワクワクしました。こういう楽しい遊びもアンソロジーならではですね。
2016/10/17
みや
8人の作家が「誘拐」をテーマに書いた短編アンソロジー。1編ずつは短いが、誘拐のバリエーションの多さを楽しめた。ただ後味の悪い作品が多い。有栖川有栖以外初読み。自分の未熟さを痛感すると共に、まだまだこれから楽しい出会いの機会が待っているのだと前向きに捉えたい。霞流一「スイカの脅迫状」が一番良かった。死体が人質という設定も誘拐の理由も面白い。折原一「二重誘拐」は「ミザリー」をオマージュ。脚は徹底的にやらないと駄目。有栖川有栖「二十世紀的誘拐」」は学生アリスシリーズの一作。今回も江神さんはかっこよかった。
2016/09/18
toshi
有栖川 有栖,折原 一,山口 雅也,香納 諒一,吉村 達也,霞 流一,五十嵐 均,法月 綸太郎、8作家の書いたアンソロジー。 解説によれば、「野生時代」の誘拐特集のための作品らしい。 短編のミステリーということで、どうしても薄っぺらな内容になってしまうが、それぞれ一流のミステリー作家だけあって工夫が凝らされていてなかなか面白い。 五十嵐の「セコい誘拐」は発想が素晴らしいけれど結末がイマイチで惜しい。 香納の「知らすべからず」、法月の「トランスミッション」は特に秀作。
2015/07/17
オーウェン
誘拐をテーマに、8人の作家が書き下ろした短編ミステリ。 表紙の顔ぶれだけでも皆代表作を持つような作家ばかりだが、やはり新本格の旗手である人たちは外せない。 有栖川さんは江神シリーズ。山口さんはキッド・ピストルズ。 折原さんは当然のように叙述トリック。 霞さんは奇怪なバカミスで挑み、法月さんは誘拐の間違い電話という形。 短編なので堪能とまではいかないが、好きな作家がいれば楽しめると思う。
2018/09/13
かなせ
タイトルの通り『誘拐』をテーマにしたミステリーアンソロジー。有栖川有栖目当てで買ったのだけど、どの作品も誘拐というテーマをいろんな観点から書いていて面白かった。霞 流一のスイカの脅迫状がいちばん面白かったかな〜。
2010/04/03
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