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新宿のありふれた夜 (角川文庫)

新宿のありふれた夜 (角川文庫)

新宿のありふれた夜 (角川文庫)

作家
佐々木譲
出版社
KADOKAWA
発売日
1997-10-31
ISBN
9784041998021
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新宿のありふれた夜 (角川文庫) / 感想・レビュー

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はつばあば

ありふれた夜?。とんでもない。こんなにスリルを感じてワクワクしたのに。ベトナム戦争を軸として回っていた私の昭和史と佐々木さんとはあまり変わらないようだ。警察も893も煙に撒いての逃走劇。いつも政府が正しいとは限らない。自分の頭で考え行動を起こして自己責任を持つ。かっこいいんですが・・なかなか難しい。もう一人の女の子のように殺されるのが当たり前の世の中になってきている。平成のこれから、外国からのお客様も、仕事で来られる方も益々増えるだろう。日本人としてどう対処するか・・若い方に委ねられている。

2016/04/19

mr.lupin

『新宿のありふれた夜』...いやいや、そうそうこんな話はないでしょう。新宿で十年間任された酒場を畳む最後の夜、マスターの郷田は一人の異国の難民女性を匿った。彼女はやくざに追われそして警察にも駆け込むことができない。そんな彼女を歌舞伎町から逃走させるの為に手を尽くしていく。とても「ありふれた夜」どころかドラマチックでハードボイルドでスリリングな熱い夜だった。でももしかしたらこんな話はありふれたように日常的にもあるのかな…?☆☆☆☆☆

2019/06/27

ヨーコ・オクダ

なんかエエ話、というかエエ終わり方。新宿が舞台で、ヤーさん、警察、不法滞在の外国人が出てきて…の作品でドンパチやらバイオレンス系描写メインではない方向へストーリーを持っていけるんや〜と感心した。メインキャラは雇われバー店主の克彦とインドシナ難民のメイリン。この克彦がめっちゃ強いヒーローでないのがありきたりの新宿ハードボイルトにならずに済んだ要因かも?メイリンの真っ直ぐで芯が強いキャラ設定がキラリと光る。終盤、メイリンを追うヤーさん、警官とのニアミス場面ではドキドキ、スリリングな感じも味わえて…。エエ感じ♪

2019/07/10

ねこまんま

おいおい、新宿ではこんな話が本当にありふれているのかい?閉鎖的な男と、生きるために動き続けるしかなかった女の出会いっていうのが、いかにもハードボイルドな接点でわくわくするねえ!難民問題については、震災やら格差社会やらで、日本国民でさえ生活ままならない人が少なくない中で余裕がないのが現実なんだろうけど、先進国である日本が知らんふりっていう実情はどうなんだろうとは思う。じっとしていても生きていける日本の男と、無茶を承知でどんなことでもしなければ生きていけない切羽詰まった異国の女との対比がすごく活きた作品。

2016/05/04

気狂いピエロ

ハードボイルドで結構好きな作品です。作者の初期の作品として、後の素晴らしい作品群に繋がる荒削りな熱と鋭い感性を感じる。歌舞伎町しか知らない閉塞感を抱える男と、過酷な運命によって国を渡り歩きベトナム流民としての閉塞感を抱える少女の出会い、その解放に向けた脱出の一日を描く。ヤクザと警察に追われる少女を助けるためにハードボイルドにカッコよく変わっていく男がいい。歌舞伎町の細かい描写とインドシナの過酷な歴史という作中での空間的広がりと未来への希望に溢れたラストもいい。

2014/04/27

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