くろふね (角川文庫)
くろふね (角川文庫) / 感想・レビュー
しんたろー
佐々木譲さんは警察もの数作品を読んだが、歴史ものも書かれているとは知らず、読友さんの推薦で読んだ。幕末~維新の頃、浦賀奉行所与力・中島三郎助の半生を通して、当時の情勢や人間関係が描かれている。小説とは言え、漠然としか知らなかった歴史を勉強できる楽しみと、人間ドラマの面白さを満喫できた。立場によって見方は変わるだろうが、勝麟太郎や徳川慶喜への印象が変わったのも良かった。現代にも通じる部分が多々あるのも歴史ものの良さと改めて思えた。三郎助の熱い生き様と芯のぶれない姿勢が格好よく、良妻・すずとのシーンも素敵👍
2024/10/17
i-miya
2013.06.02(つづき)佐々木譲著。 2013.05.31 小笠原長穀、渋い顔、悪い時に奉行になったもんだ。 三郎助、「せめて、異国船来航は黙認することだ。最悪を回避するにはこれしかない」 7/24のこと。呼び出し、父と共に、モリソン号事件以来だ。 「無念打ち払令、撤回だ」 薪や水だけ渡せってことだ。 文化の頃の薪水給与令と同じだ。 わかる、がどうする、次は? この知恵、アジア情勢に関係。
2013/06/02
i-miya
2013.06.15(つづき)佐々木譲著。 2013.06.10 天保15年八月。 視察で荻野流砲術指南、桜井なんとやらが浦賀へ来る。 相談してほしい、と土岐丹波守奉行。 番船に砲台ではまにあいません。 砲艦を造ったほうが早いです。
2013/06/15
i-miya
2012.02.04(初読)佐々木譲著。(カバー) 黒船来る!嘉永六年(1853)6月、4隻。浦賀奉行の代役、浦賀奉行組与力、中島三郎助、乗り込む。外国に負けない近代国家へ導こうとするラストサムライの生涯。(佐々木譲) 1950、夕張生まれ。1989、『エトロフ発 緊急電』=山本周五郎賞。
2012/02/04
10$の恋
没頭して読んだ。「黒船来航」前後の海洋事情がこれほど日本の運命を揺さぶっていたのか。幕末の謎の一面が晴れたような心地だ。ペリー提督の断固とした開国要求に圧倒される幕府、『黒船』の想像を絶する姿や武装を見ただけで国力の差が一目瞭然。内政不安の国内で、異国に対して危機感を持った様子がありありと示される。以前より慧眼を持ち造船が日本の前途を握ると見抜いてた浦賀奉行与力の「中島三郎助」、造船に身を投じた情熱と奮闘ぶりに讃嘆するのみ。船に恋した三郎助は、函館戦争で新政府軍によって見事に散った_。これは名作だ。
2024/10/05
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