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オリバー・ツイスト(上) (角川文庫)

オリバー・ツイスト(上) (角川文庫)

オリバー・ツイスト(上) (角川文庫)

作家
チャールズ・ディケンズ
ディケンズ
北川 悌二
出版社
KADOKAWA
発売日
2006-01-22
ISBN
9784042110163
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オリバー・ツイスト(上) (角川文庫) / 感想・レビュー

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Willie the Wildcat

教区吏員、陪審員、葬儀屋の下働きの仲間、そして盗賊仲間・・・。様々な苦境の中でふれあう「優しさ」。個々人の人生を描写させる優しさの差異が印象的。特に、バンブル氏。葬儀屋にオリバーを引き渡す際に垣間見せた”心”。人の根底に持つ不変の優しさ、と感じる。銃弾が運命の分岐点か・・・。信じる心が、心を開く。蛇足だが、”ハンカチ”泥棒は時代を描写しているのだと推察するが、さてその使い道とは・・・?

2014/06/30

syota

ストーリーは、出だしこそ地味だが、中盤からはオリバーの波乱と冒険の日々が続く。テンポがよく、事前の予想より面白い。しかしそれよりも、社会の底辺で生きる人々のリアルな描写が印象的。貧者や孤児が人間扱いされていない様子も、辛辣な筆致で描かれている。この作品執筆時には、英国ではすでに近代国家の体裁が整いつつあり、救貧院にしても他国に先んじた制度だったと思われるが、その英国にしてこの悲惨さ、無理解。現在の西欧型民主社会が成立するまでには、こういった過程を経てきたのかと、そちらに思いがいってしまった。[G1000]

2015/10/19

那由多

1838年に発行されたディケンズの出世作。孤児オリバーが大人たちの都合に振り回され、いっときの安らぎの場所を手に入れるも、また悪党一味に捕まる波乱万丈艱難辛苦の上巻。大人たちがオリバーの言い分を聞いてくれず、悪い方へ転がされる少年の心細さや如何に。クッキリと色分けされた、分かり易い善と悪の登場人物たち。その境い目に立つのは、ナンシーただ1人だけという不思議さ。

2021/07/03

更夜

19世紀末のイギリスの喧噪が生き生きとよみがえります。孤児として救貧院で育ったオリバー少年が健気ながらも、理不尽な目に次々とあいます。低層階級の人々を「紳士」「ご婦人」と書いているのは皮肉。まだまだ自立できないオリバーは大人たちに振り回されてしまいますが、いつか自立できる日を望まずにはいられません。映画の方を先に観ていたのですが、空腹でぱたんと気絶する所がリアルでした。まだまだ前半ではオリバーの災難は続きます。英ガーディアン紙必読小説1000冊より。

2016/06/10

ROOM 237

こんちは初ディケさん、こんなにも面白く続きが気になり一気見するようなドラマ性があるとはこれ如何に。貧困と打擲と虐待に塗れた孤児オリバーがあまりに不憫で、救いはないのかと読み進めます。極限に見舞われてもなお揺るがないオリバーの気高さと、度々登場する母性溢れる女性たちの存在が今のところ拠り所で、この行く先の見えないロードノヴェルの希望でしょうか。今のところはちびっこハードボイルドサスペンスです。訳者北川さんの狂言好きを匂わせる、ニヤリニヤリとか面白言い回し翻訳がツボw

2022/12/13

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