ジョイ・ラック・クラブ (角川文庫 赤 タ 1-1)
ジョイ・ラック・クラブ (角川文庫 赤 タ 1-1) / 感想・レビュー
ケイ
『翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK』にて紹介されていた作品のひとつだが。ここでの紹介はどれも夢中になったが、こちらは唯一読書の楽しみを感じられなかったな。移民文学が合わないのかも。考えてみればジュンパ・ラヒリもカズオ・イシグロも…。彼女達が、地元の色んな人種の人たちと卓を囲んでくれたら楽しかったのになと思う。
2020/12/21
カムイ
麻雀卓囲む、4人の女性達の会話から始まる物語、中国共産党確立に伴い、アメリカヘ移民した彼女らそしてその娘達に焦点八人の過去、そして今を活写している、中国での壮絶な回想、今のアメリカ生活の葛藤、4人の会話は洒脱でブラックである、凄く良い本だ、これからも、何度も読み返したくなる本になります。
2019/07/02
ブラックジャケット
中国共産党が全土を掌握して政権を確立したのが1949年、アメリカに移住した中国人は多い。サンフランシスコに居を定めた四人の中国人女性が、麻雀卓を囲み親交を暖める。それが題名となった。すでに最終章という段階になり、四人の内一人は亡くなってしまった。しかし四人とも子供に恵まれ、娘たちがアメリカ人として確固たる生活を始めている。この新旧八人の物語が連作短編として語られる。衝撃度は中国編だ。双子姉妹の赤ちゃんを置き去りにせざるを得なかった母親。娘と生きるために、富豪の第四夫人にならざるを得ない環境。世界は広い。
2018/12/02
ぱせり
八つの人生の物語を小間切れに読んだはずだけれど、実は、母と娘と、二つの物語だったような気がしている。そして、二つの物語は、いつだって入れ替わるように思うのだ。母は誰かの娘であるし、娘は誰かの母でありうるのだから。途切れることなく続いているこの流れがどうして葛藤や絶縁の連鎖であるだろうか。
2021/02/21
Apollo
読み終わってもしばらくは本書の残り香に包まれていた。中国製の家具とか布、香辛料や料理とかの。言葉にできない、又は言葉にしないことを敢えて選んだ母達の思いを、米国育ちの娘らがくみ取れるのは僅かだけれど、その思いが今度は確かな言葉に変えられる様子にしみじみとする。
2016/11/01
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