シェパード (角川文庫 赤 537-5)
シェパード (角川文庫 赤 537-5) / 感想・レビュー
hit4papa
エスピオナージがお得意のフォーサイスには珍しい短編集。長編は微に入り細を穿つ描写でややもすると退屈してしまいますが、短編のほうスッキリまとまっています。航行途中、故障に見まわれた戦闘機パイロットの運命を描いたタイトル作「シェパード」は、絶体絶命とはこのこと、生命の危機に瀕した人間のハラハラドキドキに、著者らしさを感じます。結末は想定内ですが、ほっこり話もお上手です。その他、美人局に脅迫された真面目いっぽうの男の起死回生「ブラックレター」、有名実業家が恋した女性の夫に殺し屋を差し向けた結果「殺人完了」です。
2017/12/26
詩 音像(utaotozo)
毎年クリスマスが近付くと読んでいる「シェパード」。今年はハードカヴァー版を図書館で借りた。シェパードという航空用語を用いながら「迷える仔羊を導くもの」の聖書の例えにも掛けてあって、実に鮮やかなオチのクリスマス・ストーリーになっているのが心憎い。今回、若きパイロットの慢心、祈り、驕り、改心といった心の移り変わりがスクルージ的とも映った。この本が何年も品切れ状態なのは、実に勿体無い。二編の収録作も良いのだが、原書と同様「シェパード」のみを独立させた豊富で精緻な航空機イラスト満載の絵本的仕様での新版を希望。
2016/12/25
yamatoshiuruhashi
久しぶりに表題作を読みたくなったので本棚を探したが見当たらず。息子が持って行ったというし絶版なのでamazonで古本購入。 何度読んでも面白い。1957年、ドイツよりクリスマスの夜、休暇で帰還途中ヴァンパイア戦闘機が全ての計器が壊れ遭難の危機に瀕したときに、古いモスキート戦闘爆撃機が現れ、緊急避難基地へ先導してくれるのだが・・・
2012/08/05
tai65
星5つ
2018/02/21
キミ兄
ちょっとホラーがかった短編3篇。ジャーナリストながらに文章力のあるところをみせてくれる。ある意味スカッとする。☆☆☆☆。
2017/05/30
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