帝王 (角川文庫 緑 537-8)
帝王 (角川文庫 緑 537-8) / 感想・レビュー
くさてる
短編集。フォーサイスは初読だけど、単なるミステリや冒険小説の枠からはみ出たような魅力があって楽しめました。ひねった落ちが印象的な「よく喋る死体」まさに題名通りの展開が面白くも手に汗握る「厄日」ドンデンに次ぐドンデンで後味が良い「完全なる死」など傑作が多いです。
2018/10/13
Makoto Yamamoto
短編集。再読だったが、いずれも物語もよかった。 また、最後にある「帝王」の締めが一番気に入っている。
2019/09/20
Richard Thornburg
感想:★★★★★ 8篇で構成される短編集ですが、フォーサイス大先生の短編集は初めて読みました。 ホントに日常生活の中でいつ起きてもおかしくない、ちょっと現実味の濃い「世にも奇妙な物語」チックな展開が面白かったです。 「アイルランドに蛇はいない」のオチはバイオホラーチックな感じで好感。 「免責特権」「完全なる死」はなかなかキレイにまとめていて印象に残ります。 本書のタイトルにもなっている最終話の「帝王」は秀逸で、この話のためだけにこの本を読む価値はあるかも!?と思いました。
2015/03/08
bapaksejahtera
短編作家ではないが、多いと思えぬ短編は、むしろ長編よりも失望作は少ないのではないかと想像する。インド洋での休暇で地元のヌシと言われる巨大マカジキとの死闘によってしがない中年銀行員からの脱皮を遂げる表題作「帝王」はカタルシスを感ずる読者が多かろう。マスコミの暴力に一撃を加える「免責特権」。「厄日」と「完全なる死」の意外な結末と痛快。「アイルランドに蛇はいない」も同様だが、最後にホラーが残る。フランスを旅行するアイルランド人が、ふとしたことから同国独立の端初となった暴動事件の実態に接する。これも恐怖である。
2021/04/26
J・P・フリーマン
フレデリック・フォーサイスの短編集。「よく喋る死体」、「免責特権」、「完全なる死」、「悪魔の囁き」はひねりがきいて面白い。表題作の「帝王」は、さえない銀行員が旅行先で、海の主を激闘の末に釣り上げる話。面白くないわけではないのだが、ほかの作品と比べるとやや物足りない。結末が予想しやすいきらいがあります。
2018/06/27
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