ネゴシエイター 上 (角川文庫 赤 フ 6-11)
ネゴシエイター 上 (角川文庫 赤 フ 6-11) / 感想・レビュー
absinthe
大統領は軍縮を望むのだが、石油長者や軍産複合体、ソ連の守旧派が軍縮を阻止しようと動き出す。そして大統領子息誘拐。交渉に選ばれたクィンは凄腕の交渉人だが、協調性はなさそうで、この手の物語には必須。非常識な状況には非常識な男が必要なのだ。周辺で進む陰謀がまた面白い。協力しなけらばならないはずのFBIとCIA、さらには英国の警察が主導権を握ろうといがみ合うのはお約束?うまいことに肝心の部分は謎のまま進む。まさにウォーフォグ。まったく飽きない。
2023/06/17
さきん
石油枯渇の恐怖にイラン侵攻を企てるソ連、サウジの政権転覆を狙うアメリカ。イギリスで大統領の息子が拉致され行方不明に。凄腕の交渉人の主人公が登場し、犯人の居場所をつかもうとするところで終了。話がどこでつながるだろうか楽しみ。ソ連崩壊、石油がマイナスの値段をつけるなどの未来は当初は想像もできなかったであろう。アフガン失敗に懲りないでイラン侵攻はさすがに論理が飛躍しすぎている。
2021/09/17
bapaksejahtera
冒頭の場面はロシア。ゴルバチョフの登場で軍の縮小に苛立つ軍幹部がイランの電撃占領を企む。これはパーレビ時代の危機を思い出させる。代って米国の福音派石油王が東西融和で軍産複合と石油価格の崩壊のおそれに苛立ちサウジのシーア派を焚き付けてサウド王制転覆を狙う。巻半ばに至りロンドン留学中の米国大統領の息子が何者かに誘拐される。ここで書題の交渉人が登場。邪魔なCIAとFBIを幻惑しつつ巧みに犯人と交渉するところで上巻終了。多少ダレはしたもののなんとか引きつけられた。まだ全体の脈絡ははっきりしないが面白い作品のようだ
2021/05/05
ヴェルナーの日記
ヒギンズやチャンドラーと並ぶ作家がいるとすれば、フォーサイスが筆頭に上がると思う。本作のタイトル「ネゴシエイター」とは、交渉人のことだが、正確には犯罪交渉人のことで、犯人と警察等の間に入り、犯罪被害を最小限に抑える人間のことを指す。本物語は冷静末期にあたる米ソ間のナンタケット条約が締結される折、米大統領の子息が誘拐されるという事件が起こる。しかし、その事件は単なる誘拐事件ではなく、その裏に巨大な陰謀が渦巻いていた。そしてネゴシエイターことクインが動き出す。物語の半数が自在の人物が登場するところが興味深い。
2014/04/13
對馬 正晃
「ネゴシエイター」が活躍するのは誘拐事件に対してだろう?と思いつつ、前半の大部分が中東の石油乗っ取り作戦に割かれているので「???」な気分でした。誘拐事件が勃発して解決に向けて面白くなってきたところで、衝撃の展開が!
2023/11/14
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