ネゴシエイター 下 (角川文庫 赤 フ 6-12)
ネゴシエイター 下 (角川文庫 赤 フ 6-12) / 感想・レビュー
absinthe
救出成功と思ったら?その後話は二転三転、交渉の仕事は追跡者と変わってヨーロッパの街並みを駆け巡る。ハラハラし通しの後半戦。恐らく、本作品は、この後の様々なサスペンス、スリラーのテンプレとなったのだろう。緻密なプロの仕事は面白い。主人公の作戦はほどほどに上手くいき、罠にかかりそうになって、罠を避けてまた次というこのさじ加減が良い。スパイものは、出たとこ勝負の仕事になるとあまり面白くないものだが、このあたりはさすがフォーサイス。
2023/07/20
さきん
後半はどうなるかと思いつつも何とか黒幕逮捕で終幕。肝心の石油資源枯渇話はうやむやに。著者のジャッカルの何とかという作品が聞いたことがある。傭兵経験があるので、コンゴ紛争のベルギー傭兵の話など楽しく読めた。
2021/09/17
bapaksejahtera
誘拐された米大統領子息救出に動いた主人公は、実行犯のボスと現実的取引に臨む。その結果無事息子を取り戻すのだがその後は意外な展開が待っていた。ともかくも主人公の超絶の活躍と意外な味方登場で、ゴルビーの齎したデタントを脅かす米ソ離間の企みは失敗に終わる。上巻冒頭ではソ連国軍幹部のイラン侵攻策がかなりの紙幅で語られる。私にはこちらの方が米福音主義者の策動より現実的と思えたのだが、精緻な計画はソ連軍幹部の石油王との密談暴露だけで葬り去られる。米国の狂人の出汁と使われたサウジのシーア派の末路描写も実に粗略だと思う。
2021/05/06
ヴェルナーの日記
フォーサイス作品は、他のハードボイルド作家に比べ、作者固有の癖をあまり感じさせない。これは読みやすいという利点もあるが、ハードボイルドの世界に浸りたい読者にとっては、少し物足りなさを感じる欠点ともいえる。自分がハードボイルド作品を読む場合、著者ごとにコーヒー豆に喩えている。それでいえば、フォーサイスはコロンビアといったところ。日本で一番重要が高いコーヒー豆で苦味や酸味といった癖がなく、ブレンドコーヒー(各種類の豆と混ぜ合わせる)にうってつけな豆である。フォーサイスの作品も洗練された癖のない作品といえる。
2014/07/04
對馬 正晃
誘拐事件の衝撃的な展開から、今度はジェイソン・ボーンかはたまたグレイマンかと思わせるような追跡劇へ。絶体絶命に陥るところなんかはジェームズ・ボンド?イーサン・ハント?(笑)とにかくサスペンスやアクションの要素がてんこ盛りでした☆
2023/12/02
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