わが目の悪魔 (角川文庫 赤 541-3)
わが目の悪魔 (角川文庫 赤 541-3) / 感想・レビュー
みっぴー
サイコサスペンス。マネキンの首を絞めることを生き甲斐とし、毎日判を捺したような生活を送るアーサー・ジョンソン。自分と同じ名前をもつリア充、アントニー・ジョンソンが引っ越してきて、アーサーの日常が崩れていく。。。マネキンの首を絞めて精神の均衡を保つのと、自分のように本を読んで精神の均衡を保つのは、それほど大差ないのでは?と思いました。幼少期に、保護者からの異常な干渉や支配を受けてきた人は、やはりどこか捻れてしまうらしい。反抗期ってある意味ありがたいものなのかも…ん~難しい。
2017/10/14
セウテス
作者ルース・レンデル氏は、1964年にウェクスフォード警部シリーズでデビューして以来、警部ものと精神的サスペンスものとを交互に書いてきました。この作品はゴールド・ダガー賞に輝いた、サイコサスペンスの方です。アーサー・ジョンソンは決めた事を決めた様に、何も変わりなく生活していた。ある日同じアパートにアントニー・ジョンソンが越してきた事から、生活が狂い始め精神的に異常な考えにはまってゆく。何気ない表現を用いて精神的におかしいと感じさせ、怖さを演出します。構成、背景描写と細やかで、思わず巧いと叫んでしまいます。
2015/02/19
hit4papa
マネキンの首を絞め殺人衝動を抑える男。その男の近所に住まう人々の日々を描いた異常心理ものです。主人公は、自身の性癖が表沙汰にならないよう、新に入居した住人の行動に執着し始めます。陰々滅々とした性格を描かせたら、さすがのレンデル。傑作の予感がし嬉々として読み進めます。しかしながら、執着された男の痴話話が延々と続き、読者はどこへ連れていかれるか判然としなくなります。そのあたりがないと結末へとはつながっていかないのですが、とっちらかった印象です。味があるといえばその通りですが、スッキリしません。【CWA賞】
2018/02/24
♪mi★ki♪
母から伯母に売られ育てられた中年アーサージョンソンの趣味はアパートの地下室でマネキンの首を絞めること。げっ( ̄O ̄;)同じアパートにアントニージョンソンという似た名のイケメン青年が入居して来て郵便トラブルが起こり…。異常者の思い込みと自己中な行動が周囲を巻き込み歯車が狂っていくいつものパターン。相変わらず気色悪い変質者を書くのが得意な陰湿レンデルおばさん。ラストは、お!こう来たか!とニヤリ。映画化ではアンソニーパーキンスが演ったらしい。もうね、適役過ぎて観なくても想像ついちゃう。サイコ俳優専門か。w
2017/03/31
くさてる
なんとも救いがなく、重苦しい緊張感が持続し多展開で、読むのを途中で止められなかった。まさかのラストにたどりつくまで、わたしはこの物語がどうなってほしかったのかと考えずにはいられなかった。あまりに孤独で、追い詰められた男の行為には、いっさいの同情も共感も出来ないはずなのに、それでもこのラストはあまりに辛い。読み応え有りました。
2015/12/09
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