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星の巡礼 (角川文庫)

星の巡礼 (角川文庫)

星の巡礼 (角川文庫)

作家
パウロ・コエーリョ
山川紘矢
山川亜希子
出版社
KADOKAWA
発売日
1998-04-23
ISBN
9784042750024
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星の巡礼 (角川文庫) / 感想・レビュー

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のっち♬

キリスト教神秘主義の秘密結社の試験に落第した著者がガイドと共にスペイン北部の巡礼路を旅する。人間のスピリチュアリティを追求した自伝的作品で、次々と課せられる実習など著者の肉体的・精神的な体験が『星の道』からの風景と共に臨場感豊かに記されており、それらが真理に向かって有機的に繋がっていく様はオカルトや宗教といった枠組みに止まらない普遍性や充足感がある。気品のある静かな文体も心地よい。「船は港にいる時、最も安全であるが、それは船が作られた目的ではない」夢を追い求め、よき戦いを戦おう。道はすべての人に開かれる。

2020/08/10

nobi

プロローグの“RAM教団マスター称号授与式”もガイドのペトラスに会うまでの顛末も何やら怪しい。古代へと、ピレネー山脈から始まる巡礼の旅へと誘導する虚仮威しの仕掛けのように見えていた。でもオカルティックな新興宗教に嵌った者の体験談とはどうも違う。コエーリョの手記は霊的体験と二十世紀の日常感覚とを行き来する。犬との遭遇、滝の登攀、…次第にその身体感覚を実感する。霊的体験は目的ではない。巡礼路をひたすら歩くこととRAMの実習は、心身清澄にし、自らの力を引き出し、世界との交信を可能とする。そのメッセージは力強い。

2017/03/26

Gotoran

先に読んだ『カミーノ』(S.マクレーン)の下敷きの本書。著者p.コエーリョが“サンチャゴ・デ・コンポステーラ"(スペイン)への「星の道」と呼ばれる古来からの巡礼の道を歩いた体験を基に描かれた処女作と云う。宗教的かつスピリッチュアリティに富んだ要素はあるものの、主人公の自分自身を見つめ、自分の中の力を見つける旅、死と直面しエゴや恐れを手放すための旅でもあり、『アルケミスト』同様、主人公とともに巡礼の旅をして自己を見つめ直すことができる良書と感じた。

2014/03/15

Shun

パウロ・コエーリョは2冊目。「アルケミスト」と本作はスピリチュアル的な内容において同種の小説と言えますが、この「星の巡礼」は著者自身の実体験を基に描いた小説であるようだ。キリスト教系のとある教団の秘儀を授かるべく巡礼の旅に出た私、その道中で行った実習や神秘的体験を描く旅小説といった作品です。内容が内容だけに宗教的な教えや神秘的現象に慣れないところもありましたが、巡礼の過程で得られんとする教えは翻訳すれば宗教の異なる私たちの実生活にも通じるものが読み取れます。まるでアウェアネスを意識させられる瞑想的な物語。

2022/01/12

レモン

著者の自伝的作品らしいが、初読時は信じられなかった。今なら否定することなく受け止められる。スピリチュアル系の本はこれ以外読んだことがないが、ベストセラーとなった『アルケミスト』の方がやはり読みやすい。読書中雑念が入りまくりな私だが、本書で紹介される数々の実習は試してみたいと思うものが多い。恐らく根底を流れる部分は自己啓発本の主張と同じ。50〜60代になったら、また再読したい。

2024/05/09

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