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ザーヒル (角川文庫)

ザーヒル (角川文庫)

ザーヒル (角川文庫)

作家
パウロ・コエーリョ
旦 敬介
出版社
KADOKAWA
発売日
2009-02-22
ISBN
9784042750086
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ザーヒル (角川文庫) / 感想・レビュー

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Gotoran

作家として成功しているものの、ある日突然、妻がいなくなり、自分の人生を再考するはめになった主人公。妻を探し出す過程で、妻への罪の意識、嫉妬心、怒り、悲しみ、虚しさを乗り越え、不思議な導き(例えば、アザフスタンの遊牧民の自然信仰「テングリ」)によって、精神性を高め新たな価値観を生み出す。表面的・形式的な愛や自由では得られない精神的な心の安らぎとは?『ザーヒル』とはアラビヤ語で“明らかに存在し認知しないわけにはいかない”という意味らしい。読んで気付く意味深なタイトル。著者の半自伝的作品を満喫。

2015/08/17

コージー

★★★★☆失踪した妻を探し求め、真実の愛へとたどり着くある作家の話。『ザーヒル』とは、盲目的に意識が囚われてしまう存在のこと。この作家にとってのザーヒルは、彼の元を去った妻であった。しかし聖なる存在と交信できるという不思議な青年と出会うことによって、彼の心はだんだんと浄化されていく。コエーリョも経験したという宗教儀式や巡礼などがこの話の大事な骨格になっている。そのため、内容的にはすぐには受け入れがたい部分もあるが、著者独特の冒険仕立てのストーリーがこの話のスパイスとなっていると思われる。

2023/01/27

磁石

人生は大いなる冒険であり続ける。あり続けなければならない。習慣や常識・順応点の硬い殻に隠された無限の力、愛。ソレは奔放な、野生の力。決して支配することはできない、受け入れ身を任せるだけ。ソレと一体化することが、人生に魔法の瞬間をもたらし続けてくれる。主人公が奥さんに会うために紆余曲折を経ることがなかったのなら、再会したとき手を取り合うことができなかったはず。情熱というものは年と共に失わせていくものではない、むしろ高まり他に飛び火するほどまで強くなっていく。著者の作品には、いつも頭を打たれる。

2016/01/05

saeta

ボルヘスの小説からインスパイア?されたのか、ちょっと興味を惹かれて読んで見ました。前回のアルケミストを読みながらも感じていた、この作家からそこはかとなく漂うカルト臭を今作を感じてしまった。面白そうないくつかの挿話を繋げただけの印象で、人物描写なのか奥行きを全く感じなかった。このまま凡庸なハッピーエンドかな?と思ったが、物語が閉じた後を想起させる終わり方で、ややホッとした。

2017/11/29

もくたつ(目標達成)

5.上質な人生を送る著名人の主人公が、自分の人生の意味等を振り返っていく。物語の静かな進展に息を呑みつつ、社交界の描写はリアルだった。

2022/10/23

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