カリフォルニアの炎 (角川文庫 ウ 16-3)
カリフォルニアの炎 (角川文庫 ウ 16-3) / 感想・レビュー
goro@80.7
カリフォルニア火災保険の火事査定員ジャックは半焼し死者までだした邸宅の火災が放火ではないかと疑問を持つ。が保安局は失火と判断し、会社も保険金を支払えとジャックに圧力が掛かる。放火と殺人が絡んだ事件の裏には大きな陰謀が…。罠に掛かったジャック!誰がカリフォルニアを焼き尽くすのか!裁判のための疑似裁判までするなんてアメリカの保険会社は凄いな。さすが訴訟大国。
2018/08/13
harass
「ザ・カルテル」の著者の作品を読みたくなり未読のもので古本屋の棚にあったこれを手に取る。カリフォルニアのサーファーで火災保険調査員の主人公は、裕福な名士の家の焼け跡を調べることに…… 約550ページの厚い本で初めは焦れったく中断したが後半以降一気に読み終えた。この疾走感に感心。解説によると、作品中で紹介する火炎のメカニズムに構成が合わせてあるという。これだけの情報を面白く読ませるという筆力に舌を巻く。個人的に以前熱中していたキング作品を思い出した。これぞエンタメだ。ラストであるがこれが落とし所だろう。
2017/02/06
タツ フカガワ
保険会社で腕利きの火災査定人ジャックが手がける案件は由緒ある邸宅の火災で、原因は焼死した美人妻の酩酊による火の不始末と思われた。が、ジャックは保険金詐欺、それも放火・殺人の疑いが濃厚な事件と判断する。すぐに引き込まれる語り口のうまさとともに、火災においての火の物語や、保険業界の内幕を垣間見るような保険金不履行訴訟対策の疑似裁判も読みどころ。これらが収斂していく凄まじい終盤からのほろ苦い結末に、もう少しカタルシスがあってもとは思いますが、とにかく面白かった。
2024/03/31
Panzer Leader
「第120回海外作品読書会」エンタメ娯楽作品だった「ボビーZ」から確実に「犬の力」寄りの作風にシフトしていく過度期に当たる本作。だからといって重くて読みにくいなんて事は全然なく、陰謀渦巻く保険業界を興味深く描いていてサラサラと読めてしまう。またちょっと軽い兄ちゃんやおつむの足りないバイカーを描写でなく、会話でそれと判らせるような東江翻訳は流石だなあ。
2018/11/04
ほちょこ
ドン・ウィンズロウ/東江一起 週間の第2冊目。保険会社の現場調査員、なるほどうまい役割を主人公にしたなと、まずそこで頷く。キナ臭い現場、明らかな犯人、でも証拠をつかむまでの経過と物語の展開が息を飲むスピードで、面白かった。
2018/07/12
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